World Digger

ワインとかITとかとか。

集中する、単焦点。



カメラを買い足した。
SonyのRX100M3をメインに使っていたので、RX1RM2を買った。

サイバーショット DSC-RX1RM2
http://kakaku.com/item/K0000827006/
ワイン会で許容出来る最大サイズのカメラで、最良の性能というのが買った理由。

細かい理由はこの辺;
レストランでの写真撮影が難しい
http://d.hatena.ne.jp/nanoha3/20151229/1451373726


買って2ヶ月経ち、数回のワイン会で撮影をしたが、その性能の素晴らしさを感じると同時に、自分の未熟さを強く感じている。
最初の頃はフルサイズセンサー故の被写界深度の浅さ(ここが参考になった→被写界深度換算F値http://lzx.jp/irisdiaphragm3.html ) と、寄れる距離の長さに(M3は5cmまでよれたが、RM2は20cm)振り回された。
そして、そうした比較的わかりやすい問題が解決できた現在は、単焦点とその被写界深度の浅さが故の、何に集中するかというテーマの解決に頭を悩ませている。



料理が出てきたときに(暖かい内にすぐ食べろという話は尤もだけどそれは一先ず置いておいて)、その文脈やイメージや盛りつけからどこに焦点を当てて、そしてどの程度そこに集中して(絞って)撮影するかが本当に悩ましい。
とはいえ、そうしたRM2の性能のおかげで、今までぼんやりと認識していた問題に直面することができるようになったのはありがたい話だ。


また、人の表情がものすごく良く写るようになったので、そのおかげで今まで気づかなかった表情に気がつけるようになったのは素晴らしい。



何が良い写真か、何に集中すると何が見えるのか、そうしたことをこれからも考えて行きたい。












余談、手ぶれについて。
手ぶれ補正がなく手ぶれしやすい本機であるが、多少の手ぶれであればフォトショのスマートシャープでかなり輪郭を補正することが出来る(印刷ではなく、27インチ以下の画面用なら)。
フルサイズセンサーと4360万画素というスペックで実現できる力業。

ラノベアニメは現代オペラである


昨年オーストリア・ウィーンに旅行に行き、そこで初めてオペラを鑑賞してきた。
鑑賞した演目はガンスリ好きとして当然のようにトスカ。
「歌に生き恋に生き」の台詞がある、有名な恋愛物のオペラだ。
嫉妬、すれ違い、略奪愛、多くの虚偽、殺人、そして投身。
荒れ狂う恋心を描いたこのオペラは1900年に初演され、現代に至るまで116年ものあいだ上演され続け、愛され続けている。




僕はイタリア語もドイツ語も堪能ではないので、事前にAmazonでシナリオを翻訳した本(上演約2時間で118P!)を買いストーリーを暗記してからオペラ座に行った。





オペラ座の荘厳な、しかしお客さんは少しそわそわしているような雰囲気を楽しみつつ、上演がスタートした。
僕は普段ドラマや演劇は殆ど見ないので作品の魅力を十分に理解できていないとは思うのだが、歌手の演技や歌声は素晴らしく、激しく展開の早いストーリーはストーリーを知っていたとしても、とても魅力的なものだった。







オペラを鑑賞していてとても印象的だったのが、拍手のタイミングである。
上演後のカーテンコールはもちろんのこと、劇中でのいくつかの歌や演技の後にも大きな拍手があった。
多くの人が、演技や歌に対して、拍手をしていたのだ。
これは考えれば当たり前のことで、オペラは遙か昔からの作品を上映しているので、観客はストーリーを知っていることを前提として、それ以上のことを経験するために足を運んでいるのだ。




そしてこれはラノベアニメにも共通して考えられることでもある。
我々はMF文庫Jという偉大なレーベルを知っている。
http://bc.mediafactory.jp/bunkoj/special_link/index
主人公かヒロインが転校してきて、主人公が何か特別な力を秘めていて、ヒロインが次々に増え、ハーレムになってチュッチュする素晴らしい作品の数々。
彼らが先人というわけではないが、ISというライトノベルの金字塔として語り継がれている作品を生み出し、その影響で他レーベルも同様の作品を多く出版するようになった。
こうした小説はレーベルだけでなく、異世界トラックに跳ねられて俺TUEEEEするなろう作品など種類を多少変えながら、数多く存在する。





しかし、こうした作品は現在批判にさらされている。
「テンプレラノベアニメ」と纏めて称されて、テンプレであることが悪いことのように誹られている。
これは魔法戦争を全話鑑賞しその上原作も全巻読破したことは別に関係ないけど、僕としてはとても悲しい。
なぜなら、オペラと同様に、ラノベアニメはストーリーが売りではないことが理解されていないからである。




世の中には多くの作品があるが、作品の魅力はそれぞれ違った部分にあり、必ずしもストーリーが新しいことがその作品の評価となる訳ではない。
テンプレラノベにおいて今まで生み出されてきた、ルイズ(ゼロ魔)、シャルロット(IS)、エスト(ひゃん)、ユリエ(やー)、八神姉妹(DAL)、真理亜ちゃん(新妹)、ユイ(トリニティ)、千冬ママ(異能)、紐神様(ダンまち)、五十島(魔法戦争)といった魅力的なキャラクターは、間違いなく無味乾燥なテンプレートから外れた魅力の1つである。
キャラクター以外にも、一部の異常に力の入った作画や音楽などももちろん魅力があり、そして魔法戦争やワルブレ(今のこのスバのこの系統)といったメタ的な魅力もある。




我々ラノベアニメ鑑賞者は、そしてラノベアニメを批評する人々は、ストーリーという唯一の評価指標をもって作品に接するのではなく、より多くの多様な魅力があることを理解して、作品を理解していくべきである。





現在放映中の「最弱無敗の神装機竜《バハムート》」はテンプレラノベとの批判にさらされているが、妹のアイリが最高に可愛く、最新4話では一度も登場しなかった為つらくて思わず1話から見直したほどに最高に最高の作品だ。
そもそもアイリはEDの一枚絵に登場しないわけだが、これはつまりアイリは攻略対象的なヒロインではなく、すでに攻略済みの永遠に一緒の妻妹というわけで、この作品のメインヒロインといっても過言ではない。
もちろん愛らしいチョロインのリーシャ様や、ぱよぱよフィーちゃん、まな板ルシファーさん、そして未登場ながらも絶対にア○○が弱くて恋騎士出身のセリスさん(黄金のフリーダムに搭乗)も可愛い。









結論;
テンプレラノベアニメとは、次々と役者を変えながら上演する現代のオペラである。
オペラと同様に、ストーリーだけでなく、キャラクターや演出や音楽も楽しみましょう☆





なお、前期やっていた落第騎士の英雄譚はテンプレラノベに見せかけたスクライドなので、アニメ・原作(トーナメント終わった!)ともに大いにおすすめです。

サーモンとイカの2色握りを握ってみた!

海鮮丼問題
http://anond.hatelabo.jp/20160104222245
「ちょっと言葉が悪いが、これは下品な食べ物だと思う。たまに回転寿司で違うネタ(例えば私の友人はサーモンとイカの組み合わせが好き)を一緒に食べる。下品じゃねーか! とか半分冗談まじりで話する。」


とあったので、握ってみた。

右から3,4貫目がサーモン&スルメイカの握り。
サーモンを薄切りして、イカを重ねたり、サーモン2重にして間にイカを挟んだり。
サーモンのオイリーな甘みと、イカの歯ごたえと甘みが融合し、新しい甘美味しいネタになっていた。素晴らしい。
今日はスルメイカしか手に入らなかったけど、スミイカ(特に1週間程度寝かしたものとか)と合わせるとよりおいしくなると思う。
http://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%AB






もともと、鮨は小さなネタを重ねて握ることがある。
コハダの小さなシンコ(7月)、スミイカの小さな新イカ(8月)。
http://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%82%B7%E3%83%AD
http://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%AB
特にシンコは5枚づけすることがあり、握りが美しい。
画像: http://bandoftokyo.com/blog-entry-1761.html
余談だが、この2種類の走りのネタは恐ろしく高く、1貫2000〜4000円程度することがある。
コースの流れで出てくる分にはあまり気にならないが(お店が利益を取らないこともある)、うっかりランチコース(1000円)食べた後に季節だからと注文すると、会計が5000円になって会計時に揉めるケースもある。
シンコ、新イカを注文するときはそれとなく値段を聞くか、会計が跳ね上がることを理解しておいたほうが良い。






今回のような違うネタを重ねて握ることは始めてだったが、面白いので今後とも可能性を追求していきたい。
巻物で色々なネタを含めるのはあるが、握りで重ねるのは聞いたことがなかった。
増田の友人は素晴らしいセンスをしていると思う。

2015年美味しかった料理


キャビア 甲殻類のジュレになめらかなカリフラワーのクレーム /ガストロノミー・ジョエル・ロブション アランシェフ
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13009310/

牡蠣の冷製 海水と柑橘のジュレ 岩海苔 /エディション・コウジ シモムラ
http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13042074/

フレッシュスカンピ! /ラ・スコリエーラ
http://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13002849/

ボッタルガのリングイネ /ラ・スコリエーラ
http://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13002849/

貝作鍋 /貝作
http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13015201/

小笠原産母島の青海亀のコンソメスープ シェリー酒風味 /アピシウス
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13000145/

鱸のパイ包み焼き ショロンソース /アピシウス
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13000145/

鰻重(大) /尾花
http://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13003509/

鮎酒 /新ばし鮎正
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13001495/

穴子の炊き込みご飯 /春草
http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13126853/

鴨そぼろそば /春草
http://tabelog.com/tokyo/A1317/A131707/13126853/

フランス ブレス産プーラルドのポッシェ ソースアルビュフェラ /ロディスリー・レカン 高良シェフ
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13175683/

ブッフ・ブルギニヨンヌ /アピシウス
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13000145/

アグー豚しゃぶしゃぶ /まつもと
http://tabelog.com/okinawa/A4701/A470101/47005708/

中勢以 熟成牛低速低温ロースト /友人宅で僕が調理
http://www.naka-sei.com/

ソドムの街 /自宅

神戸牛低速低温ロースト /自宅

Sweetened Vanila- ‘Fresh Cheese’ with Physalis & Cereals /Steirereck im Stadtpark(オーストリア・ウィーン)
https://www.steirereck.at/

今年のワイン総括

白ワイン・シャンパーニュ  





1 1982 サロン
2 1982 ドン・ペリニョン
3 1999 コント・ラフォン モンラッシェ
4 1990 ソゼ ピュリニー・モンラッシェ 1er シャンカネ
5 1985 シャルル・エドシック ブラン・ド・ミレネール
6 2012 ピーター・ベーダー・マルベルグ  ビュッシェンベルク・リースリング
7 MV ローランペリエ グランシエクル(80年代にデゴルジュマン)
8 1982 ティタンジェ コントドシャンパーニュ ロゼ


1982 サロンは強いブランデーのようでありながら、鰹の出汁、ミネラルの強い骨格、酸の細やかさと長さがあり、ワインに強い意志の表情を感じた。積極的にマリアージュしようと攻めてくる味わいで、蛤の茶わん蒸しと素晴らしいマリアージュだった。サロンは何度か飲んでいるが、ここまで素晴らしい熟成をしたものは初めてだった。
1982 ドンペリニョンは輝きと時間の蓄積を感じ、そして熟成したドンペリらしい全てのバランスがとれた味わい。
1999 コント・ラフォン モンラッシェは、脳を直接酔わせる香りがあり、陶酔した。
1つだけ若い2012 ピーター・ベーダー・マルベルグ  ビュッシェンベルク・リースリングは極めて酸の美しい一本。PRAGERのWB畑に匹敵する。




赤ワイン  





1 1996 ターリー ジンファンデル
2 1997 ジョルジュ・ルーミエ レザムルース
3 1989 ジョルジュ・ルーミエ ボンヌ・マール
4 1999 ルネ・アンジェル クロヴィージョ
5 2002 ルイ・ラトゥール ロマネ・サン・ヴィヴァン Les Quatre Journanx
6 2000 フランソワ・ラマルシュ グラン・リュ
7 1997 デュジャック クロドラロッシュ
8 1999 ルネ・アンジェル ヴォーヌロマネ 1er LET BRULEES
9 1982 シャトー・ジスクール
10 1981 クロ・フルテ


まさかのカリフォルニア、それもジンファンデルがトップ。1996 ターリー ジンファンデルは柔らかかな朱色の光がたゆたう。17度という超高アルコールの角が完全に取れて球体となり、艶やかな香りと、しっかりとした果実味がある。
ジョルジュ・ルーミエ、1997 レザムルースは陰に隠れがちなレザムルースにしては珍しく、日向でいちゃついている。
1989 ボンヌマールは偉大な穏やかさと酸の美しさがある。






他に特筆すべきワイン・マリアージュ  



十四代 七垂二十貫
十四代はすごくおいしいが、七垂二十貫は群を抜いて美味しい。

・2000 ラディコン オスラーヴィエ・フオーリ・ダル・テンポ
熟成したオレンジワインの完成を感じた一本。細かい澱のため数週間たたせておく必要がある。

・ガリジロー(アンリ・ジロー コトー・シャンプノワと甘酢ガリのマリアージュ)/自宅
トーシャンプノワ3種(アンリジロー、パイヤール、ウーリエ)と鮨20種類くらいのマリアージュを試したところ、一番合ったのがこのペア! ガリは開封後しばらく酸を慣らす必要がある。

・シェリー デル・デューク とウミガメのスープ /アピシウス、バゼットの晩餐
全てが溶けて融合する。

・2008 パイヤール コトーシャンプノワ と フォアグラ/アピシウス
フォアグラの冷たい脂を、コトーシャンプノワの強い酸が分解し、脂が細かい泡となって消えていく。

年末なにしてますか? 忙しいですか? 読んでもらっていいですか? #2015


今年読んで一番おすすめのラノベが、表題の「すかすか」こと「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」。
サクラダリセット」或いは「いなくなれ、群青」の河野裕に近い繊細な文体。
新開誠にアニメ化してもらいたい世界観・キャラクター性。
是非ご一読を。



なお、これ以外にも「クズ主人公をどうやって料理するか」及び「ヒロインとどういうシチュエーションでどうやって致したいか」がTLで最高に盛り上がった「この恋と、その未来。」をお勧めしたい。
誠氏ね」ばりの四朗君だが、たぶんパイプカットされたら喜んで未来(手術済み)を受け入れるからこいつどうしょうもねぇな・・・ という目線を持ちつつ、読むのが楽しいシリーズです。