World Digger

ワインとかITとかとか。

ワインの価格上昇とこれから日本酒に起こること

追記;補足とコメント

nanoha3.hatenablog.com

 

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近年のワインの価格上昇がすさまじい。

といっても値上がりしている銘柄/地域は全体から見ればほんの一部ではあるが、まあ凄い。

ブルゴーニュボルドーシャンパーニュ・あと一部カリフォルニアはこの10年程度毎年5~20%づつ値上がりしており、特にブルゴーニュについては10年前の倍の価格になっている銘柄も多々存在する。

これは主に需給バランスの問題で、中国をはじめとする需要増もあるが供給の問題も大きく、特にブルゴーニュについては2010年以降ずっとかなりの不作で(2017・2018は並か豊作)、生産量半減・8割減の年もあり、その為の値上げがあった。

 

そうした価格上昇に伴い、様々な問題が発生した。

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1982サントリーワインカタログより



まず、これまで買えていたワインが買えなくなった人・買わなくなった人が増えた。

5000円で買って飲めいたワインが、1万円になった時に、それを買おうと思う人はやはり多数ではないし、また日本の景気の問題でそれだけの予算感を持てる人は少ない。

レストランで使われるワインも、明らかにグレードが落ちた。ペアリングするワインは予算の問題もあり(他の国がもちろん素晴らしいこともあり)、メインになんとかボルドーブルゴーニュのそこそこの物(5級や村名)を持ってくるといった程度になった。

ソムリエやインポーターはお手頃価格のワインを探すことがより求められるようになった。

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ワインラバーや業者は、どこまで金を積めるか、できる限り速く金を用意できるかのチキンレースに突入した。

良いVTだった今年発売の1万円のワインと、そこそこのVTでしかない来年/再来年のワインの1.2/1.4万円を比較して、今のVTのワインをできる限り買うことが正解になる。

現時点では、自前のお金だけでなく、借りられるだけお金を借りて買うことが正解になっている。

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こうした問題が日本で起こっていて、まあこれはこれで大変なのだが、地元の人に起こっている問題は恐らくもっと深刻なものだ。

2019/2にボーヌで行ったレストラン/バーで出てきた5~10EURのグラスワインに、値上がりの激しい有名村(シャンボールミュジニー、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、ムルソー、シャサーニュ/ピュリニー・モンラッシェ)は無く、ショレイ・レ・ボーヌ、メルキュレ、サンロマンといったちょいマイナー村のワインばかりだった。

個人的には、あまり日本に入ってきていないワインの発掘や、マイナー村のテロワールの確認ができて楽しいのだが、しかし地元の人たちの気分はどうなんだろう。

 

過去、レストランで6EURでムルソーを飲めていたのが、今やグラスワインからムルソーが無くなり、ボトルでも40EUR程度払わないと飲めない。

地元で作っているワインが、地元で気軽に飲めなくなった。

日本でビールが高くなって第三のビールやチューハイ人気が出たのに近い問題が、よりローカルな文化の部分で発生したのだ。

 

地元の特産物が、世界的に人気になったため需給によるプライシングが通用する状況で、値段を上げていった結果、地元の人が楽しめなくなった。

これは今後、幾つかの日本酒に発生する/既に発生しつつある問題でもある。

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パリのデパ地下



日本酒の輸出量は増えており、今後とも増加していくことが予想される。

そして元々日本酒は価格帯が安く、美味しい日本酒でも4合瓶で1500~2000円の価格帯が中心で、一部高級なものが3000円程度、そして最高級品が5000円という感じだと思う。

(もちろん飛び抜けて高いものも存在するが、今回は平均的な話なので置いておく)

海外に輸出するのであれば、送料と関税と利益を考えると概ね日本の1.5~2倍の価格になるので、中心価格帯が3000~4000円、EURに直すと24~32EURになる。

お手頃シャンパーニュ、有名村ブルゴーニュボルドー3級あたりが同価格帯で、昔安かったワインを今の値段で買うよりは、珍しい日本の酒を試しに買ってみようと思える価格帯でもある。

(同様に日本でも、5000円のワインより日本酒買った方がいいじゃん派がそれなりに増えている)

 

こうして日本酒の海外展開が増えていくことで、プライシングはより挑戦可能になっていく。

なんせ日本だけがデフレで海外はインフレなので、そもそも安いこともあって毎年5%づつ値上げをしても大して問題にはならないと予想できる。

そうして、恐らく2030年頃には美味しい日本酒は4合瓶で4000円、高級な物は7000円、最高級は1万円といった価格帯になり得る可能性がある。

その頃に日本がインフレをある程度経験できていなければ/格差の拡大を克服できなければ、とても普段飲みに開けられる酒では無くなっているだろう。

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晩酌に平政のお刺身を食べながら、醸し人九平次 純米大吟醸を楽しんでいたオジサン(「酒はこのくらいの値段でいいんだよ」が口癖)は、それまで勤めていたメーカーの業績不振と共に給与が低迷する。しかしもはや転職を考えられる年齢でもキャリアでもなく、そしてオジサンは会社を裏切るようなことはしたくなかった。自身と日本の高齢化と共に、上昇を続ける社会保険料・消費税が、高くも無く、しかし低すぎる訳でも無い給与を直撃する。今月使える酒代は昔より減ったが、会社の人が減っても業務は減らず、日々は目の前の業務を懸命に掻き分けていくことで精一杯になっていた。オジサンがそうして日常を必死に保っている内に、日本酒は世界へと羽ばたき、大人気になっていた。ほんの10年前に毎晩飲んでいたあの程よい、しかし素晴らしい日本酒達は、あの時の倍の価格になってしまい、今の、そして将来を考えたこの財布にはあまりにも重くなってしまった。そうして、彼は腰痛になってようやく自覚した腹回りのことも考えて、糖質ゼロ月桂冠鯖缶の晩酌を楽しむことになる。もはや彼には味を気にする余裕は無く、健康を気にしながらも辛い現実を酔って耐え忍ぶために買える範囲の酒を買い、かつては共にしていた筈の日本の文化の微かな残り香と共に朽ちていくのだ。

 

f:id:nanoha3:20190422052654j:plain※既に現時点でもこうした会は既存の日本酒のプライシングを超え、殆どの日本酒ファンの参加できる会では無くなっている。僕ももう飲めくなると予想したので参加した。

ワインを65本ハンドキャリーで持って帰る方法

時々欧州に旅行に行くのだが、珍しいワインや日本で買うよりお得なワインが多く、大量にワインを買ってきたいと考えることが多かった。

別送で送る手もあるが、送料や温度管理の問題があり(完璧が保証されない)、買うワインの価格と信頼性を考えると不安がある。

そのため、今回のフランス旅行では色々準備をして大量にワインをハンドキャリーすることにし、結果として1人旅行で65本のワインのハンドキャリーに成功した。

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>前提

JALのグローバルクラブ入会済みでビジネスクラス以上の搭乗が必須となる。

https://www.jal.co.jp/inter/baggage/checked/

(ANAの場合はスーパーフライヤーズ+ファースト)

https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/detail/priority-flight.html#section03

これで32kg*4個の荷物を預けることが可能になる。

 

もしくはエコノミーで追加料金払うか。

お預けのお手荷物 - JAL国際線

 JALだと1個2万円かな(32kgまでの範囲)。

いずれにせよJGCはほぼ必須。

 

 

>装備

キャリーバッグはホイール性能の良い4キャスターバッグが4つ必要となる。

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2つをまとめて片手づつで動かすシチュエーションが出てくるため、ホイール性能が極めて重要。

また、サイズについては60L以上で軽量なものが良い。

僕の場合は下記4つを使っている。

・Proteca 360T スーツケース オープンジッパータイプ 86リットル *2個

4.6kg H71(76)×W51(54)×D27(27) cm

・Proteca 360T スーツケース オープンジッパータイプ 63リットル *2個

3.9kg H60(65)×W45(48)×D27(27) cm

このキャリーバッグは、隙間に詰めることが容易な上、63リットルをちょうど86リットルに入れることが可能なので、行きは2つのバッグを持つだけで良くなる。マトリョーシカ方式。これが出来るとかなり楽になる。

このバッグだけで上手く買っても25万くらいかかるが、ワインの日仏差額を考えると楽勝で1回の旅行でペイできる。

 

キャリーバッグ以外にも140本分(2重で使う)のプチプチと、バッグ全体に敷くプチプチが必要。

 

 

 

また、ホテルの部屋等でバッグを固定するための鍵を持っておくことを推奨。

ワインが漏れた時をカバーする為のビニール袋は個人的には不要だと考えている。空港で割れたことを認識するのが家に帰ってからだと補償について手遅れになるので、割れたことが分かるようにしておく方が良い(もちろん割れないよう準備するのが前提)。

 

また、重量制限に引っかからないように、軽い体重計などを持っていくと良い。

 

 422 g

 

なお、2つのキャリーバッグをまとめるためのバンドを買いはしたが、結論としては不要だった。

そうしたシチュエーションが少ない上、バンドではコントロールが難しいので、ハンドルを伸ばして片手で2つ同時に握って移動するのが最良だった。



>行き

大きなバッグの中にミドルサイズのバッグを入れ、2つのバッグ+機内持込荷物で出発。

バッグのどちらに生活用品系を入れたかタグなどで目印をつけておくと便利。



>色々購入してから

ワインを好きなだけ好きなように購入して、ボトル毎に2重にプチプチに包み、空きスペースは服や段ボールを詰めて、スペースが空かないようにする。

基本的にスペースよりも重量の方が先に問題になるので、梱包材はどれだけあっても良い。

なお、シャンパーニュ等の木箱は重い物が多く邪魔なだけなので、現地で破棄することをお勧めしたい。

 

ある程度以上の重さになったら、バッグを運ぶときの移動は基本的にタクシーになる。

タクシーの運転手には少し多めにチップを渡すこと。

長距離ではTGV等での移動も可能で、実際にボーヌからパリまで4つのキャリーバッグを持ちながらTGVとタスシーで移動した(この時点での購入は48本程度)。

 

季節によってはホテル等の室温が高めなら窓を開けてキャリーバッグを冷たい環境にキープする必要がある。

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寝る時もこうしてカーテンの外側にバッグを置いてバリケードを作れば、いくらか温度を低く保つことができる。

 

空港では荷物を載せられる大きなカートを使うのが一番便利になる。

帰国時の荷物預けの際に、重量オーバーになっても大丈夫なように大きめの紙袋を持っておくと良い(そこに重量を減らすためにキャリーバッグから取り出した物を入れて、手荷物にする)。

 

ワインは購入する毎にエクセル等に品名・価格・容量・アルコール度数を記載しておく。

これは入国時の税関で必要になる(品名と価格は不要だが、どうせ必要になる)

 

なお、どこで購入すると良いアイテムがあり安いかは各自調べてみてください。

パリでも安い店はあります。

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>税関

ワイン1本あたり150円程度の税金を現金で払う必要がある。

65本だと3本免税で、合計9,300円とか。

まったくもってたいした金額では無い。

空港から自宅は当然だがタクシーで。

なんだかんだでタクシー代が色々かかるが、ワインの日仏差額を考えると全くたいしたことが無い金額なので、必要経費と割り切りましょう(旅行代やバッグ代も一瞬で償却できる)

 

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帰宅時のバッグはこんな感じ。

手荷物込みで合計140kgくらい。

ロードバイク用装備も持って行っているが、重量的にたいしたことないので本数には数本程度の影響しかない。

 

という感じで、大量にワインをハンドキャリーすると、なかなか買えないワインがお得に買えて大変素晴らしい。

さすがにある程度の筋力と体力は必要だが・・・

 

「「フランス料理に日本酒」が増えている理由」が出鱈目過ぎる その3

その3にして最終回にしたいところ。

 

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/日本酒にワイン(ブシャールのシュヴァリエ・モンラッシェ2013)を合わせるという、料理はどこに行ったんだマリアージュで丸く解決・日仏友好! 華やかな軟水の厚い層を、香る硬水がゆんわりと浸食し、融合するという飲み合わせで美味しいです。

 

なお、tweetの引用の問題?で@vino_cavolfiore さんを巻き込んでしまって、ごめんなさいです。

 

 

「(前略)さらなる価格高騰が起きた。そこで、料理に合わせて世界中で醸造されているお酒を合わせていこうというムーブメントが起き、その中のひとつとして“日本のコメから造る醸造酒”日本酒が受け入れられる土壌が生まれた。」と元記事にあるので、値段の話はしているし、それが要因(の1つ?)でムーブメントが起きたというのが元記事の主張では。

 

僕は別にライターの意見をどうこう言っているのではなく、記事に書いてあることの正誤について書いており、その内容からライターの評価をしているに過ぎない。

また、こうして取材対象にある種の責任転嫁をしようとしているのは、ライターとしてどうなのだろうか(と書くと、責任転嫁しようとしている訳ではないと言われるのだろうが)。

 

 

 

価格云々はもう主張されたい内容が良く分からないので置いておく。

以降の記述は否定する部分は何もないし、トレンドへの着目として素晴らしい。



 

ストローマン(藁人形論法)。

https://bit.ly/2oPnFEa

相手の意見を極論として表現することで、自分の正しさを作ろうとする議論の仕方。

僕はこの前半部分に書かれているようなことを、書いた覚えはないので、この反論は意味が無い・悪意のあるもの。

正面からの反論は今のところ無い。

 

 

ワイン好きとして、「ワインはXXがダメ」と事実と異なることを言われたので、怒っている部分はある。

ただ、基本的に事実関係に基づいた突っ込みをしているだけで攻撃的と表現するのは、その事実関係から目をそらせようとする意図もあるのだろうが(この書き方は攻撃的だ)、残念。

「上とか下」については、元記事からの流れで反論してきた愛好家に「現場に聞かないと分からないし、一流レストランのソムリエがこう言ってる。愛好家とは違う」という書き方をすれば、「一流」レストランと書いていることも相まって、「上とか下」に書いている、マウンティングしていると解釈するのが素直な解釈では。

 

 

まあ段々分かってきたんだけど、自分の発言がどう捉えられるかを分かっていない(客観視できていない)と、こういう考え方になるのかもしれないですね。

 

 

これもストローマン的。

僕は「「フランス料理に日本酒」が増えている理由」(理由の内容部分)が出鱈目だったので、そう書いたに過ぎない。

「理由が出鱈目」(他にも色々間違っている部分がある)なので、あのタイトルとしただけだ。

 

 

事実確認を取っているのか、取材相手に確認を取っているのかでずいぶん話は違ってくる。

本筋ではないが初歩的なレベルの部分なのでピックアップするが、元記事の「ワインは開栓後、2日以内でなければプリザーバーなどを用いても劣化してしまうが」は本当に事実確認を取っているのだろうか。

少なくとも日本のソムリエ/ソムリエールであれば、こんなことを言う人は滅多にいない(僕は会ったことがない)。

なので、そうした僕にとっての常識を考えれば、ライターがソムリエ達の説明をよく分からずに書いているのかな?という疑問が起きる。

 

 

一般に飲まれている、をどのレベルで解釈するかは難しいところだが、例えば大手ワイン生産者のサントリーや、実店舗数が恐らく最多のエノテカのラインナップを見ても、ワインが20~30年前(ドイツ甘口とボルドーとキアンティの時代?)からずいぶん多様化している。

https://www.suntory.co.jp/wine/brand/index.html

https://www.enoteca.co.jp/

ワインの種類としては、最近のマーケティングを見ても肉ワイン、ビオワイン(自然派ワイン)、サングリア、安い動物ワイン系など。

国としてはチリ、スペイン、南アフリカなどがかなりメジャーなところに出てきた

「安くて美味しい色々な種類のワイン」が色々流通しているのが現状で、例えばワインショップの売り場を見ても、一般的に画一化されている印象は全く無い。

 

「イタリアの田舎の小さな蔵」は確かに多様な味わいを持つ。しかし、ワインの多様な味わいを知りながら「ワインが不得手とする「7つの要素」」と書く考えの流れは理解しがたい。

恐らく、色々な味を知っていてもそれを整理できていないか、そうした知識・経験を元に取材内容を理解できていないのではないだろうか。

 

そして僕は一度も「ワインが主流ではなくなってるというのは出鱈目だ」といったことを書いた覚えはない。

 

 

まず前提のズレがあり、僕は馬鹿にされたとは一言も書いていない。

現地のコンクールの話については、事実誤認以外には特に思うことはない(一応書いておくと、日本酒が海外で広まるのは良いことだと思っている)。

「愛好家と「一流」レストランのソムリエは違うよね」というマウンティングは馬鹿にする書き方だよね、とは思うけど。

 



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書いていて割と悲しくなってきた。

(記事を見る限り)ワインも日本酒もよく分かっていないソムリエが言っていることを、よく分かっていないライターが取材し、内容のおかしな記事ができあがって、割と大きなメディアに掲載された、といったのが今回の話だったのかな、というのが現在の印象。

初学者に対しての書き方としては、僕の書き方は厳しかった/マウンティングしている要素も多かった、とは反省。

 

ワイン業界のメディアが、世の中でまだ弱い問題でもある。

ワインに詳しい人は基本的にオタク性質なので(僕もだ)、全く知らない人に簡潔に説明するのではなく、長々と(相手にとって)意味不明なことを書くことが多く、結果として適切な知識が広まらない。

また、オタク業界らしく、マウントを取ろうとする人も多い。

(知らない人相手に今回の僕の記事のようなものを書けば、嫌われるのは分かる)

そうした中で、簡潔に言い切るような記事は、内容がどうであれ嚥下しやすいものなので、大きなメディアにも採用される部分があるのかな、と思ったり。

もちろん色々頑張っているサイトは多く、昔よりは良くなっているが、それでもまだ誤解や間違いが広く残っている。

 

専門性とわかりやすさの話としては、WELQ問題に近い物だと思う。

 

 

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余談、(僕の一連の記事についての)はてブのコメントについてちょっと返信。

 

>ソムリエを欺くことなんて簡単だ:研究結果

https://wired.jp/2013/03/29/how-to-taste/

「ワインの専門家たちは簡単にだませる。ボルドー大学でワイン醸造学を勉強している54人の学生」この一文で既に疑問符がつくし、学生はソムリエではない(そしてフランスでソムリエになるのは難しい)。

視覚(色やラベルや価格)による情報が味に影響を与えるのは、平均的には間違いない。

一方で、平均的にそうだからといって、個々人がそうだとは限らない(平均的なはてなーが1日100ブクマするからといって、あなたがそうではないように)。

この研究は多少の示唆があるが、多くの欠陥を抱えている。

また、ブラインドで飲む/食べることなんて、基本的にないし、視覚情報参考にする(それに引っ張られる)のは本質とはあまり関係が無いと考えている。

 

>格付け方式のブラインドテスト

色々と難しいところで、

・ワインに詳しいかと、ブラインドテストの正答率が高いかどうかは別

・ブラインドテストもTVのように安いのvs高いのなら、個人的には割と容易。7割は当たるんじゃないかな。

・一方で神の雫のような完全ブラインドで「どこのなんてワインの何年?」はそもそも激ムズ。また回答としても「スペイン・リオハのテンプラニーニョ」と答えたら「2015年のフランス・ブルゴーニュ・ヴォルネイ、コントラフォンのピノ」が正解だった時に、部分点をどう評価するかが詳しくないとできず、知らない人には「間違ってるじゃん」で終わる。実際先日のブラインドでこう間違えたが、日本有数のソムリエからは(少し優しく)ほぼ正解と言われた。

・個々人の好み・好きな範囲・得意な範囲が違う。例えば僕はボルドーを殆ど飲まないので、そうなると多分殆ど外れる。

・多分、誰か人の要望を聞いて、それに合わせて料理とワインとサービス(ワインの説明を含む)をする、というのが、今回のような問題への対応を比較するには良いのかもしれないのですが、うーん、明確な回答は出せないです。

参考に:

第15回A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクールより 今、ソムリエに求められていること | The Cuisine Press WEB料理通信

 

 

「「フランス料理に日本酒」が増えている理由」が出鱈目過ぎる その2

追記:その3も書きました。

nanoha3.hatenablog.com

 

ご本人(未確認)がtweetされてるのを観測してしまったので、コメント。

 

 

 

その「得手不得手」と言っていることが出鱈目だという話に、反論ではなく「極端な考え」と言われるのは発想が飛躍していてユニーク。

僕からすれば、あの記事こそが極端な内容。

また、僕は特段予算の高いワインをペアリングしろとは言った覚えも無い。

ボルドーブルゴーニュ以外の地域のフランスワイン、オールドワールドやニューワールドのワインの多くは、輸入されてくる日本酒と大した価格の違いがないか・安く、また選択肢は非常に多い。

現地で上代10~15EURあたりから美味しくて面白いワインはいくらでもある。

ワインが不得意な場面、というよりは「新しい構造の料理」が増えている、ということについてはその通りだが、そのワインって「伝統的ワイン」しか見えてないのでは?というのは元の記事に書いたとおり。

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/NARISAWA 金華豚のスープに僅かにボイルしたスカンピ アンドレ・ペレ コンドリュー(フランス・ローヌ地方) と素晴らしいマリアージュ

 

 

 

 

そうしたフランスのソムリエ達が言っていることをそのまま記事にしているだけであれば、ワインに詳しくないかと思うので、僕の思想が極端かどうかを判断するほどの物差しを持っていないのではないでしょうか。

「不得意な要素」に突っ込み所はありますが置いといて、「ワインが合わない皿」に日本酒や他の酒を選ぶことには何の問題もないですが、そこで考えられてる「ワイン」が本当に現代の多様なワインを含めて考えているかどうかは疑問です。

また、日本酒は食材とケンカしにくい酒なので、安易なマリアージュと珍しさだけでピックするソムリエも良くいます。

また、ワインやビールや日本酒をちゃんぽんすることを嫌がる方は1~2割います。

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/ウィーン・シュタイラーエック スカンピとヴェルリッチ エックス・ヴェロ2 2006(オーストリア・ソーヴィニョンブラン主体)

 

 

 

 

「ワインと合うように乳製品や油を使っていた」この考え自体はずいぶん古い考えで、最近のマリアージュを勉強していない人の発言だなー、という感想です。

クラシカルでもモダンフレンチでも、そうでないマリアージュは幾らでも考えられています。

酢飯とワインを合わせるのが好きな人、というのは僕が書いた鮨とワインのマリアージュへの揶揄かと思いますが、ソムリエもいて大将もワインに非常に詳しい紀尾井町・三谷さんのマリアージュを否定するのは、「一流レストランのソムリエ」を一方で持ち上げているのなら「好みの世界だけど」と言い捨てるには無理があるのでは?

鮨とビールのマリアージュは、僕がビール苦手なので知りませんが、一般的にはあまり合わないと考えられていると認識しています。

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/小十 名物の鮎の塩焼きと黒ビール このくらいの量のビールなら飲めるし、これは素晴らしいマリアージュだった。これもある意味新しいマリアージュの1つ。

 

 

 

 

そうした工夫をする料理があるのも知ってますし、ソムリエ/シェフの方々と仲が良いので、よくマリアージュのためにどういった工夫をされたか、ワイン会やソムリエ/シェフとの個人的な食事の席でお話しは良く伺っています。

ソムリエ/シェフにコラヴァンでワインを全て事前テイスティングしていただいてワイン会を開催させていただいたことがありましたが、その時などは料理を決めるまでの思考を同じワインの味を経験した上で共有いただけて非常に面白かったです(シェフにとっては大変な試みだったと思いますが)。

現場の人にお話を聞いても、ワインに詳しくないと程度が理解できないのではないでしょうか。

また、僕はそこそこ料理をするので、店レベルでは無いほどにせよ、マリアージュをどうさせるかはそれなりに悩んでいますし、上手く行ったことも失敗したこともあります。

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/今まで伺ったレストランの中で最も先鋭的なお店、ル・クラビエール有栖川。元カンテサンスのソムリエがオーナー。牡蠣とアードベッグ。この程度はジャブ。もちろんワインも日本酒もビールも出ます。

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13151695/

 

  

 

僕は基本的に一流・先進的なレストランのソムリエ達が色々悩んで勧めてきたペアリングの経験を元に記事を書いているので、少なくとも僕の記事で書いているようなことは日本ではされています。

それ以上に興味を持った部分では、マリアージュ実験会を自分で主催して、そこから得られたセオリーを別のワイン会で価格に合わせて実現したりもしています。

 

なお、僕は元々ただの愛好家でしたが、少し前からある有名レストランのワインリストにアドバイス・手伝いしていますので、立ち位置としては「一流レストランのソムリエ」寄りになるかと思います。

問屋/インポーターの在庫、仕入れ価格、値付け、セラーの容量、ペアリング、オペレーション、季節、シェフとのコミュニケーション、景気等々、若輩者ですが多少は理解しています。

なお、こうしたポジションの違いで「分からないでしょ」と語るのは、例えば「猫の権利を主張するには猫でないとダメだ」的な話なので、考えとして残念です。

 

なお、多くの場合愛好家の方がソムリエよりワインに詳しいのがこの業界の構造上の問題です(ソムリエの給与はあまり高くなく、高いワインは異常な価格のため飲めない)。

また、残念ながら一流レストランのソムリエといえども、素晴らしいソムリエもいるし大したことのない人もいるというのが実情です。

例えば、熟成ワインの適切な抜栓・サーブをできるソムリエは殆どいません。

 

ワインに詳しくないと、そうしたことが分からないかと思いますので、聞いてまとめただけの信憑性が伝聞レベルの記事ではなく、取材対象を理解して、裏付けのある記事を執筆された方が良いかと思います。

 

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/昨年主催したシャンパーニュと出汁のマリアージュ追求会。マロラティック発酵あり/なし*BdB/BdN+マロありロゼの5種類と、鰹/昆布/貝/鱧/豚/スッポンの出汁のマリアージュ相性を追求。非常に面白かった。

「「フランス料理に日本酒」が増えている理由」が出鱈目過ぎる

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/モダンフレンチのsanmi・赤坂見附 金目鯛のカルパッチョにヘンドリクス(ジン)とシャンパーニュリキュールを使ったレモンサワーを合わせて。もはやモダンフレンチなのかワインなのか、何がなんだか。

 

 

toyokeizai.net

この記事があまりにも酷いので、突っ込みつつ実情を書いておく。

ワインには色々な誤解がまかり通っており、こまめに火種を消しておかないと誤解されっぱなしになってしまうのが現状だし。

 

※続き

nanoha3.hatenablog.com

 

記事についての全体的な感想

・ワインのトレンドを全く理解していない

・誰かから説明を受けたことをそのまま文章にしている

(理解に乏しい部分と、妙に細かい部分がありチグハグ)

・ワインへの理解のみならず日本酒への理解も浅い

 

 

「フランス料理に日本酒」が増えている理由

15年くらい前からの料理・お酒の国の多様化、あと日本酒の価格のお手頃さが原因だと考えてます。

モダンフレンチ等の近代的料理はイタリアンや和食や元西洋植民地の料理を取り入れて進化しており、その進化と共にその料理地域のお酒も取り込んでいます。

日本酒は4合で1500円、フランスに持って行っても3000円程度のはずで、価格的にもコース料理のペアリングに使いやすい価格です。

 

 

突っ込みどころと実情

記事の上から順番に細かく、ダラダラと。めっちゃ長いです。

 

 

「日本酒には、開栓後も劣化させずに保存することが容易で、グラスでの提供がしやすいという利点もある」
日本酒は生酒でなければ2週間~1ヶ月程度持つ。
ワインは一般的には当日中に飲みきらなくてはと思われているが、そのままでも酒質次第で2~6日、アンチオックス http://amzn.asia/2cBbLTl といった酸化を防ぐ道具を使えばワインでも4~12日程度は持つようになっている。
数年前から発売されてているコラヴァン http://amzn.asia/eQbB08T を使えば1~2年持たせることも可能で、一部の高級レストランはこれでD.R.C.をグラスで出している。

後述する自然派ワインは2~4週間持つもの(もしくは抜栓1週間後とかに開いてピークが来るもの)も多く、ワインのグラスサーブを妨げる問題は殆ど無い。
また、ペアリングを提供する場合は通常1,2日でそのボトルを使い切るので、ペアリング主体の店であればあまり劣化を気にする必要がない。

CORAVIN(コラヴァン) を使ってみた。 - World Digger

 

「フランス料理店で日本酒が飲まれるようになれば、一気に西洋料理の文化に日本酒が入り込み、市場環境が一変する可能性がある」
フランスが近代の西洋料理文化の発信点になっていると認識しているのはおかしい。
記事にも出てくるエスプーマを開発したのはスペインのエル・ブジで、こうしたモダンフレンチ、ガストロノミーレストランは世界中にあり、その文化はIT同様に世界中から発信されており、相互に影響を与えている。

実際、大きな影響を与えた有名レストランはスペインのエル・ブジ、デンマークのノーマ、タイのガガン(モダンインド)と、どれもフランスの店ではない。
日本にある割烹・懐石・レストランが与えている影響も大きい。

ウィーンの3つ星モダンオーストラリアレストランでは和牛のローストがメインだった。

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/中央のピンクがボルシチの再構成。泡部分はエスプーマを使って料理。ドンペリ05/95/95エノテークを合わせて

 

「5年前からボルドーの一流ワインを中心に、ワイン価格の高騰が始まった」
この指摘は正しいが部分的なもので、
・そもそも長期的にワインの価格は上がっており、特にこの6,7年の上昇が大きい
ボルドーはVTによる価格差が大きく、優良VTと平均VTでは倍程度の価格差になり、近年は優良VTが多い(05,09,10,15)。
ボルドー5大シャトーを例に取ると、手元の資料で確認出来る範囲では例えばCh.ラトゥールの平均的な年の日本での小売価格は下記のようになっている。
1982年の価格の1979(平均的な年) 2.5万/サントリーカタログ
2000年の価格の1994(平均的な年) 2.2万/下記ブログ
2007年の価格の2004(平均的な年) 3万/下記ブログ
2011年の2008(平均的な年) 3.5万/プリムール価格150EURから想定
2014年の価格の2011(平均的な年) 9万/某百貨店価格(プリムール380EUR?)
ref: https://ameblo.jp/ooisotaro/entry-10123342489.html
他参考: https://bit.ly/2nIkr6U
http://www.liquor-ai.co.jp/column/back/2009/0731.html
http://office-oz.com/wineblog/primeur-2011

 

 

ボルドーの一流銘柄だからといって、1本が数千ユーロもするワイン」
1000EURとして13万で、宮川氏の話っぽいので、これはほぼ確実にレストラン価格の話。
小売価格の1.5~3倍するレストラン価格を説明なく文中に混ぜるのは不適切。

 

 

「当然ながら今度はブルゴーニュワインが高騰しはじめる。」
これもボルドーと同じく昔から値上がりは続いてる。
ただ、元々ブルゴーニュボルドーに比べて安かったかというとそういう訳ではなく、五大シャトーと比較されるようなレベルのワインはボルドー同様に高かった。
中国資本が最初ボルドーに向かったので多少の時間差はあっただろうが、高騰は同じようにしている。

また、最高価格の話をするのであれば、ブルゴーニュの高級ワインの方がボルドーよりも圧倒的に高い。

 

 

「2012年以降は不作もあってさらなる価格高騰が起きた」
もう少し前から不作は始まっていて、2010年代は殆どが不作というか、2017年以外は全て不作という凄まじい状態。
価格は2010VTから上がり続けており、ここ最近はVTが新しくなると1~2割値上がりしているのが普通になった。

 

 

「(価格高騰し)そこで、料理に合わせて世界中で醸造されているお酒を合わせていこうというムーブメントが起き、その中のひとつとして“日本のコメから造る醸造酒”日本酒が受け入れられる土壌が生まれた。」
僕が知らないだけの可能性もあるが、聞いたことがない話。
ボルドーブルゴーニュの値上がりが異常なだけで、他のフランスの地域、オールドワールド、ニューワールドはまだ価格が落ち着いている。
ワイン以外のお酒、クラフトビール(ベルギーやドイツ等盛ん)や日本酒は価格以外の意図、料理の多国籍化に因るものではないだろうか。

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/sanmi・赤坂見附 モダンフレンチだが締めに海南鶏飯。BFMのクラフトビール(なんかすごいの)と合わせて

 

「10年程前から、食の健康志向を背景に、フランス料理に多用される乳製品を減らし」
雑な言い方をすると、重厚なクラシカルフレンチに対するヌーベル(新しい)キュイジーヌ(料理)、今で言うところのモダンフレンチという文脈で言えば、1970年代から生まれている。

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/クラシカルとモダンのざっくりとしたイメージ Q.E.D. clubとNARISAWA 個人的な好みではクラシカルが好きというかこのQ.E.D.ウェリントン風はずば抜けて素晴らしかった。

 

「味の一部として“酸味”を生かすようになってきた」
この人、フレンチ食べたことあるのかなってレベルの発言。
ワインもフレンチも味わいのフィニッシュに大きな影響を与える酸味はずっと重視されてきている。

スタンダードなフランス料理の鴨のロースト・オレンジソースなんて、酸味のためにソースがあるような料理だ。

 

 

「ワインが不得手とする「7つの要素」」「7つの要素とは、「うま味」「苦み」「卵」「くんせい」「酸味」「辛み」「ヨード香」である。」
この記事で一番の突っ込み所。
まず、要素が五味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)、調理法、素材と揃っていない。この時点で整理ができていない、理解できていないのが明確。
次に、この考えを正とするのなら、五味の中でワインがマリアージュしてきたのは甘み・塩味だけということになる、引いてはフランス料理はワインの為にこの2つの味しか出してこなかったとも言えるが、正気か?

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 /西麻布 AZUR モダンフレンチ 五味を表現した植木シェフのスペシャリテ 

 

 

「たとえば、うま味という要素は穀物から造る日本酒には本質的に含まれているが、ワインにはない」
この文章以降は、ワインへの理解が全く無いことを示す内容になっている。
うま味は1990年頃からブームになっているオレンジワイン(白ワインを赤ワインの手法で作って、オレンジ色の色合いになっているワイン。多くが自然派ワイン)に明確にある味わいの1つ。
ジュラ地方のヴァン・ジョーヌにも旨みのニュアンスはある。
値段は高くなるが、20年以上熟成した赤ワインには出汁感(昆布や干し貝柱など)が出る物も多く、明確にうま味がある。

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/乃木坂しん 出汁・牛・茄子にジョージアのオレンジワイン(アンバーワイン)。茄子とジョージアが最高

 

「苦みは以前のフランス料理なら嫌われていた要素だ。」
苦みはタンポポのサラダ、アスパラガス、ハトなどの内臓を使ったソースなど、クラシカルなフランス料理から(当然モダンな料理まで)ずっとある要素。

特にフランス料理の春の最重要食材となるホワイトアスパラガスでは、甘さからの苦みというグラデーションが必須とされています。

またワインにもボルドーのソーヴィニョンブランやブルゴーニュのピュリニーなどはフィニッシュに苦みがあり、それも好まれている。

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/タンポポのサラダ アピシウス

 

 

「ずっと昔からフランス人も愛してきたアスパラガスは、まさにワインに合わない素材の代表格」
食べ方にもよるが、一般的なボイルしてオランデーソースを使ったホワイトアスパラガスであれば、熟成して樽の効いたロワールのソーヴィニョンブラン、やや樽がかったピュリニーモンラッシェ、熟成したシャンパーニュなど候補は色々ある。
薄くスライスして刺身で食べるのであれば、若いシャンパーニュ
どのソムリエに聞いたかは知らないが、この文章は正気を疑う。

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/グリーンアスパラガス・スズキ・ホワイトアスパラガス オランデーソース 確かピュリニーの白を合わせた記憶が。ブルゴーニュのLE MONTRACHET

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 /北海道のホワイトアスパラガスのグリル 卵黄を使ったタレ?とナッツ ムルソーと一緒に。なおフレンチではなく郡山の割烹の丸新。割烹に来てフランス料理食材を和食として料理しフランスワインを合わせている。わかんねーw

 

「硫黄臭いフランス流のゆで卵やマヨネーズ」
そもそも硫黄はワインにおいてはオフフレーバー(好ましくない香り)となるので、同じ要素をマッチングさせる方法のマリアージュでは、ワインには候補はない。
しかし、ドサージュ多めのシャンパーニュや、それこそ臭い感じのビオワイン(幅広い意味での)で要素を補完するマリアージュをすることができる。

 

 

「魚卵やくんせい
魚卵にはロゼ・ギリシャの白ワイン・イタリア南部/島部の白ワインなど合う物は多い。
くんせいは素材次第だが、スモーキーな香りを持つワインは何種類もあるので、同質のマリアージュをするとしても候補は多い。

 

 

「辛みのある素材やヨード香を持つ海藻」
そもそも文脈たるモダンフレンチで辛い料理って出るか?
また、辛い料理に対しては(例えば中華の辛い料理など)、リースリングやゲヴェルツトラミネールといった甘みのある白ワインを合わせると良い。
辛いカレーなら、アルコール度数の高いカリフォルニアのカベルネやオーストラリアのシラーズ、はたまたフランスのカオールを合わせることができる。
ヨード香はワインではオフフレーバーなので、硫黄臭と同様の話。
海藻にも色々あるが、たとえばワカメをお吸い物で食べるのであれば、リースリングや軽く熟成したピノシャルドネ半々くらいのシャンパーニュが素晴らしく合う。

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/桜と若布のお吸い物 JALファーストクラス シャルル・エドシック ブランデミネレール1995と最高

 

そもそもこの辺の食材の話、その食材の調理方法が書いていないので、話のレベルが「全部のワインとは合わないよね」レベルでしかない。

 

 

「むしろ食材のクセを強調してしまう」
マリアージュへの理解が完全にかけていることを示す一文。
マリアージュは同質や補完やコントラストがあり、マリアージュによってその料理のコントラストを強め、食材のクセ=良さをより引出すことも表現の1つになる。
例えば中トロの握り(脂分・旨み)にムルソー(やや濃い果実味・まろやかさ・酸味)を合わせることで、中トロの脂がワインによってなめらかに押さえられ、旨みを強く強調する。
(茶色の紙で黒い文字を読んでいたのが、白い紙で黒い文字を読んでいるように変化する)。
食材のクセ・特徴を強調することは全く悪いことではない。

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/紀尾井町 三谷 中トロの中巻き ムルソー 1999と。脂・旨み・海藻とワインの素晴らしいマリアージュ。あとこの写真超お気に入り。

 

「日本酒はもともと苦みを含む野菜との相性がよく」
純米大吟醸フキノトウでも合わせてみてはいかがでしょうか?
ここで言う日本酒は、例えば純米酒といった厚みのある日本酒を想定していると思われるが、それは日本酒が多様な味わいを持つことを前提に、「その食材と合う日本酒もある」という表現として記載している。
一方でワインについては「こういう味のワイン」しかない、単一の味を前提に記載をしているような強い違和感がある。
これは結局、この記事を書くに当たって、日本酒については説明を受けたが、ワインについては説明が少なく・また自分でも調べなかったので、ワインへの理解が低いことを示している。

それはそうと、フキノトウの天麩羅と、シュタイニンガーのソーヴィニョンブラン・ゼクト(スパークリング)が最高にマリアージュです。

 

 

「ワインと日本酒、いずれも酒としての特性は変化していないが」
ワインであれば自然派・オレンジワイン・高アルコールといったトレンド、日本酒であれば冷酒・高精白・発泡といったトレンドを何も認識していないが、こうしたレベルで記事を書いて大丈夫なのだろうか。

 

 

「フランス料理のほうが日本食に近い料理の組み立てへと近付いたということだ」
この日本食age認識はずれている。
モダンフレンチが進化する中で、世界中の料理を取り入れており、特にイタリア・日本食を取り入れている部分が多いというのが実情だと思う。
基本的に素材を重視し、軽く仕上げる(重いソースを減らす)のが基本的なトレンドで、その結果日本酒が合う料理が増えた。
また、再構成、分子料理といった技術的な料理がもう1つのトレンド(エスプーマやガストロバックなど)。

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/ロブション3F個室 真鯛カルパッチョ 完全にイタリアン。

 

広東料理店でオススメのワイン」
日本とは味が違うであろうが、広東料理であれば、ボルドー赤、ブルゴーニュ赤、アルザス白、イタリア赤(アマローネ等)がマリアージュの候補になる。
なお、シェリー酒は度数が15~20度程度で、日本酒は15~16度。ワインの12~13.5%と比べるとどちらも高いことに代わりはない。

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/香宮 青鮫尾びれの姿煮込み 上湯仕立て ルイナール ブリュット(N.V. 1990年頃Deg、BdBではない)と最高のマリアージュ 広東料理マリアージュ追求会をしました

 

「味を構成する要素が変化したことでワインと合わない皿が増えてきている」
この文章での「ワイン」とは伝統的な数種類のワインのことを指していて、各国の多様なワインではない。

 

 

「試飲はお猪口ではなくワイングラス」
ワイングラス最大手のリーデルが1999年には純米大吟醸用のグラスを発売している。
ワインに関わっている人にとっては、ワイングラスで日本酒を飲むのは割と良くある話。
日本酒・和食しか知らない人は、日本酒をワイングラスで飲むことをあまり知らない/やらないことが多い。
こうしたことを驚きと共に書くのは、ワインを知らない人と推定できる。

【新商品】純米酒に特化したグラス形状を約8年かけて開発 <エクストリーム シリーズ> 純米(1個入)発売 – 《公式》ワイングラスの名門ブランド – RIEDEL(リーデル)

 


「ワインは開栓後、2日以内でなければプリザーバーなどを用いても劣化してしまうが」
前述の通り、そんなことはない。

 

 

「質のよい日本酒は冷蔵庫に入れておくだけで2~3週間は開栓後も品質を保持できる」
生酒とかダメだよねこれ・・・?

 

 

「“日本酒は熟成しないが、ワインは熟成する”という誤解」
数年程度の熟成日本酒は時折見かけるし、またひやおろし(半年ちょっと熟成日本酒)という文化があるのをどう認識しているのだろうか。
もしくは、有名な菊姫の菊理媛や、大七の妙花闌曲のように10年以上熟成した日本酒をどう捉えているのだろうか。
熟成日本酒バーが15年以上経営できていることに疑問を持たないのだろうか。
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131403/13004954/
もちろんまだ一般的ではないが、酒質によって熟成することはそれなりに知られているのではないか。
一方で、ワインもボジョレーヌーヴォーのように数年程度しか熟成しないものもある(※言いがかり)。
問題は、一方では全体論を語り、もう一方では部分を語ることで、議論のレベル感がチグハグになっているところにある。

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/2013年に買った06ボジョレーヌーヴォー 1口で吐き出した。辛い。いまセラーに98と08があるので、今年18が出たら垂直をする。辛い。

//2018/12/3追記;ボジョレー垂直最高だった。98滅茶苦茶美味しかった。見つけたらまた買うし、98買った某店のストック全部買おう。

 

「冷蔵技術が発達する前に新鮮な状態で日本酒を貯蔵する技術がなかった」
1960年代には冷蔵庫が発売されているので、ここ50年で新しい文化を生む余地はあったわけでして。。。

 

 

「四号瓶が1本100万円なんていう日本酒がフランス料理店のリストに並ぶかもしれない」
十四代の龍泉や白雲去来なんかは、国内の市場価格、そこから輸出した際のコスト、レストランで販売するときの倍率を考えると、60~100万程度になってもおかしくないので、既に現実的な話。

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/鮨屋!ワイングラス!白雲去来!と色々山盛り。なお七垂二十貫や龍泉のほうが好きです。

 

「数十年後、丁寧な温度管理で保存されていた2018年ものの日本酒が、オークションで数千万円で落札されているかもしれない」
これはフランスワイン的な価値観で、熟成した日本酒がフレッシュな日本酒より美味しいという前提がある。
個人的にはそうではなく、カリフォルニアのカルトワイン的に少量生産の若い極上の日本酒がオークションで高い価格を付けることになると想像している。
日本酒も表に出ていない物が少しあるので(某大手酒造のXX専用酒とか)、そうしたものに人気があつまるのではないでしょうか。

香港は個人経営の高級ワインショップが多いですが、ワイン以外にもウイスキー・日本酒の取り扱いがあり、 十四代黒龍・磯自慢などが人気を集めている。

 

 


そもそも、同ITジャーナリストのIT系の記事は時々参考にさせて頂いているが、何故ワインの記事を突然書き始めたかが本当に謎。

 

5万/10万といった価格帯別のノートパソコンおすすめ

 定期的に人にお勧めPC聞かれるので、比較基準になりそうなものを雑多にまとめておく。

最近SurfaceGoが発表されて、399ドルという価格(※日本除く)で盛り上がってたので、意外と安PCのスペック改善が知られてない気配を感じたので、その参考にも。 

分類の軸は2つ、価格と重量(持ち運び)。

 

前提:

Windows、i3以上、メモリ4G以上(できれば8)、SSD、FHDを最低水準に。

・各種メーカーの評判や過去の問題は一端無視。

・officeなし

・DVDドライブ無視 外付けが2500円で買えるしメディアが廃れてるので。

 

 

低価格

 

低価格・持ち運び無し;5万

Lenovo V310(15.6型) Core i3・8GBメモリー・128GB SSD搭載 80SY03TEJP

http://kakaku.com/item/K0001031497/

・i3-6006U(2core), 8G, 128G, 15.6FHD, 2.08kg, 7h

HDMI 4k30Hz出力

・残念ながら現時点では売切れ

・これより高いPCでメモリ4G・HDDという人権のない機種は多い

 

Ideapad 330S フルHD液晶・Core i3・4GBメモリー・128GB SSD搭載 81F4002TJP

http://kakaku.com/item/K0001050420/

・i3-7020U(2core), 4G, 128G, 14FHD,1.67kg, 12h

HDMI 4k60Hz出力

・在庫有り

 

低価格・持ち運び有り;7万

ZenBook 13 UX331UA UX331UA-EG046T

http://kakaku.com/item/K0001065728/

・i3-7100U(2core), 8G, 128G, 13.3FHD, 1.12kg, 12h

HDMI 4k60Hz出力

・CPU下げれば4.8万とかであるけど、ATOMCeleronは時間の浪費でしかないので無視

・でも思ったより高いなー


余談で、NEC(今はLenovo傘下)の5万でofficeなしだと

http://kakaku.com/item/J0000024747/

・CeleD-3855(2core), 4G, HDD500G, 15.6WXGA, 2.4kg, 5.5h

とまごう事なき豚ノート

 

高価格

 

高価格・持ち運び無し;6.8万

Ideapad 330S フルHD液晶・Core i5・8GBメモリー・256GB SSD搭載 81F40041JP

http://kakaku.com/item/K0001050421/

・i5-8250U(4core), 8G, 256G, 14FHD,1.67kg, 12h

HDMI 4k60Hz出力

・在庫有り

・それにしてもレノボ安い。

 

7.6万でGPU外付け Inspiron 15 3000 プレミアム Core i5 8250U・8GBメモリ・256GB SSDRadeon 520搭載モデル

 http://kakaku.com/item/J0000026977/

・i3-8250U(4core), 8G, 256G, Rade520, 15.6FHD,2.13kg,  9h?

・仕様に記載が無いけどHDMI 4k60Hz出力できるはず。DELLのサイト酷いなー

・Rade520はローエンドGPUなのでIntelHD620より微かにマシな程度。グラフィックメモリ2Gがついてるのが大きい。

 

10.8万でi7+ミドルレンジGPU Inspiron 15 7000 ゲーミング プラチナ Core i7 7700HQ・16GBメモリ・256GB SSD+1TB HDD・GeForce GTX 1050Ti搭載モデル

http://kakaku.com/item/J0000025907/

・i7-7700HQ(4core), 16G, 256G+1T, GTX1050Ti, 15.6FHD, 2.33kg, ?h

HDMI 4k60Hz出力

・1050TiなのでゲームもFHDでそこそこ動く

 

高価格・持ち運び有り;10万

ideapad 720S Core i5・8GBメモリー・256GB SSD搭載 81BV000SJP

http://kakaku.com/item/K0001016380/

・i5-8250U(4core), 8G, 256G, 13.3FHD,1.14kg, 12h

USB3.1 Type-C、Thunderbolt3から直かHDMIかDP変換で4k60Hz

 

985gで12万 ZenBook 13 UX331UAL UX331UAL-8250

http://kakaku.com/item/K0001052876/

・i5-8250U(4core), 8G, 512G, 13.3FHD, 985g, 9.6h

HDMI 4k60Hz出力

・ちなみに類似のレッツノートだと12.1インチで16万・860g・14.5h http://kakaku.com/item/K0001067256/



+デュアルモニタお勧め

生産性のため、可能な限りデュアルモニタを推奨。

1.8万 28インチFHD GC2870H [28インチ ブラック]

http://kakaku.com/item/K0000970673/

 

3.8万 32インチ4k KWIN-4K32B [32インチ]

http://kakaku.com/item/K0000960048/

・DPI細かいのでスケーリング必要

 

6.1万 43インチ4k ET430Kwmiiqppx [43インチ ホワイト]

http://kakaku.com/item/K0000980601/

・ハーフグレアなので注意

 

 

+USBメモリの相場

データの受け渡しに。64G迄は気軽に買える価格。

16G:600~1000円

32G:1500円

64G:1800円

128G:3500円

 

 

感想など

レノボDELL、そしてAcerASUSといった台湾メーカーのお陰で、現代的なスペックのノートはかなり安くなってきてる。

SSD装備なら10万からという一昔前とは別世界。

最近i7積んでHDD乗せてる当時15万とかのノートの買い換え相談を数件されたけど、こうした金額だと話が簡単で良い。

あとはデスクトップPCも基本的にSSDになってくれれば色々楽なんだけどねー

なお、ノートPCの最安販売が殆ど直販サイトが最安になっているのは正しい形での収束だと思う。

RX100M6が高倍率ズームを取り入れた理由

 

を想像してみるなど。

av.watch.impress.co.jp

3行で;

スマホのカメラがズーム可能になったので高級コンデジの立ち位置が無くなった

スマホにできないことをしなければ生き残れない

F値が大きくボケが弱いのは、ボケ加工モードでカバーして欲しかった



<過去の高級コンデジの立ち位置>

2010年前後からコンデジにしては大きいセンサーと良いレンズを備えた高級コンデジが流行り始めた。

4万円以上する機種が殆どで、GR DIGITAL、RX100シリーズ、X100、DP Merrillなどそれぞれの個性がありつつも、基本的には一眼レフに負けないような高画質が特徴だった。

当時のスマホはいPhone4,4S,5あたりで、4sで800万画素・F2.4になり、なかなか良く撮れるようになっていた。

【西田宗千佳のRandomTracking】iPhone 4Sのカメラ機能をチェックする - AV Watch

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iPhone 4s f/2.4  SS1/2045  ISO64

 

高級コンデジスマホとは明確に違う画質の素晴らしさがあり、それがブームになっていたと思う。

この頃は僕はX10を愛用していた。

 

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X10  f/2.0  SS1/34 ISO400

 

ブームになった後はセンサーの大型化、レンズの高性能、動画性能の向上などでさらに画質を求める進化を遂げていった。

僕もX10での暗所撮影が正直辛く、X100M3に買い換えた(画質的にISO800上限としてたのが1600になった)

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X10  f/2.0  SS 1/320 ISO1000

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RX100M3  f/2.8 SS1/30 ISO1600

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RX100M3  f/4.0  SS1/200 ISO125

 

スマホカメラの進化>

一方で、スマホのカメラも進化を続けており、特にこの1年で発売したiPhoneXやGalaxy S9 PlusやHUAWEI P20PROは光学ズーム機能(2~3倍)やボケ加工を備え、割と高級コンデジで撮影したかのような画質で撮影できるようになってきた。

もちろん画質は本当には追いついておらず、F値は1.5とか1.8と明るいが、センサーサイズは1/2.5といった感じで小さく、ノイズやらシャープさやらの問題はある。

Search: Huawei P20 Pro | Flickr



<最近写真を何で見てるっけ?>

ところで振り返って欲しいのだけど、最近写真を見たデバイスは何だろうか。

スマホタブレット、ラップトップ(10~14インチ)、液晶/有機ELモニタ(20~30インチ)、液晶/有機ELテレビ(30インチ~)などなど様々なデバイスが身の回りにあると思うけど、カメラ趣味の方以外でスマホ以外で写真を見た頻度はどの程度だろうか。

特に、友人と旅行や食べ物の話をして、その写真を見せる時にスマホ以外で見せたことのある人はどの程度いるのだろうか。

はたまた、現像、それもスマホの画面以上の大きなサイズ(2Lとか6切とか)で現像した人はどの程度いるのだろうか。

恐らく、スマホ以外で写真を見たことは、殆ど無いのではないだろうか。

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スマホ画面に求められる画質>

今の大型スマホの画面は6インチ、2200*1100画素(240万画素)前後。

このサイズのモニタで求められる画質に、当のスマホ自体はかなり到達していると思う。

ぱっと見で画質が悪い、と感じることはあまり無く、また表示を倍にズームしてもそこまで大きな問題は見られない。

 

<これからの高級コンデジに求められる可能性のあるズーム>

といったことを考えると、今までの高級コンデジの「高画質に撮影する」という役割はそのズーム範囲を含めて殆ど大型スマホにカバーされてしまった。

その結論として出されたのがRX100M6の「スマホで撮影できないものでも高画質に撮影する」という提案だと思う。

従来のRX100シリーズからは外れたスペックのM6だが、現在のカメラ市場メタ環境を考えると割と納得のいく仕様だと感じている。

※こうした「スマホでできない撮影」分野はThetaによる全天球撮影やアクションカムの動画撮影も人気のある分野



<とはいえ問題もあり>

昨日、6/9にソニーストアでM6を触ってきたが、問題は2つあった。

・ボケが弱い。

F値が大きくなっているので仕方ないのだが、全体的に~M5ほどボケなくなってる。

ここは出来れば最近のスマホに搭載されているようなボケ強化モードがオプションにあっても良かったのかなという印象。

・電源オフにした時の収納動作が長い。

レンズが長く・3段になった影響がもろにあり、ある程度待ってあげないとレンズの収納が終わらない。

パッと出してパッと撮影する、は出来るのだが、そこからパッと収納ができずストレスになる。

 

あと高い。

 

<オチ:ところでお勧めのコンデジがあるんですが・・・>

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RX1RM2 f/2.0 SS1/50 ISO1600

 

RX1RM2はスマホでは絶対に撮影できない空気を写す高画質で撮影でき、かつコンデジなので手軽に持ち運びもできるので、最高にお勧めのコンデジです。

ズーム? そんなん足使って撮影対象の近くまで行けば良いだけの話じゃないですか。

え、スマホ画面だとそんなに違いが分からない? 40インチ以上の液晶モニタで見ろ!!!A0で印刷しろ!

ていうか、そこそこの高級コンデジ買ってキャッキャッしてる奴には大型液晶モニタをプレゼントしてその画質に絶望させてカメラ沼に沈めろ!!!!

nanoha3.hatenablog.com