World Digger

ワインとかITとかとか。

持ち寄りワイン会で気をつけるポイント。

ワイン好きが3,4人も集まると、好きなワインや興味のあるワイン談義になり、じゃあ持ち寄って飲もうかという流れになる。
そうした時は実は色々気をつけなければいけないことがあるのだが、意外にこれが共有されていない。
自分が主催して反省したところや、上手くいったな、と思ったところ。
また参加者として参加して良かったところや悪かったところなどをまとめてみた。






ワインの決め方  



・完全自由持ちより形式よりは多少条件を出した方が面白い・統一感のある会になりやすい。
赤白泡甘の指定、価格がX万円以下、特定の地域や品種や特徴(冷涼、パワフル、樽、酸など)など。
あるブラインドワイン会でブルゴーニュ好きが集まった結果、誰一人としてブルゴーニュを持ってこず(正確には僕がサン・ブリのソーヴィニョンブランを持って行った)、ブルゴーニュっぽい他の地域のワインを持ってくるとくるという大惨事があり大変素晴らしい勉強になった。


・料理との優先順位を設定する。
ワインのテーマが先に決まっていて、お店やホストに料理の相談ができるのであれば、ワインを先に決めてそれから料理を決めるのが良い。
お店に持ち込むのなら、テーマに相応しいお店を選択する(イタリアワイン会でドイツ料理店を選ばない、ワインの格に相応しいお店を選ぶなど)。
料理が先に決まっているのであれば、その料理毎に参加者にワインの選択をしてもらうのが面白い(帆立のソテーに合わせたワインを1万円以下でお願いします、など。あえて赤白は指定しない方が面白い)。
料理も持ち寄りの場合、ワインと料理のセットで持ち寄ってきてもらうのが面白い。






料理について  



・事前に参加者のアレルギー・好き嫌いを確認


・お店の場合
ワインが先に決まっている場合、ワインリストやワインの特徴、そして料理予算を連絡して料理を決めてもらう。
基本的に完全固定したメニューにしてもらうのが良い。
既存メニュー・コースからのアレンジ、完全なオリジナル対応までお店・親密度・人数によって対応は大きく変わる。
シェフ指定という荒技すらある。


・個人宅の場合
ホストは調理にかかりすぎにならないように注意する。
カウンターキッチンは話しながらできて便利だが、料理の香りがワインの香りを阻害するのが問題。
事前に仕込んでおくことができ、提供直前に余り手のかからないメニュー(ローストビーフやスープなど)や、テーブルで話しながら調理の出来る料理(鮨)が良い。


・料理代について
お店でも個人宅でも、料理代についてはホストから事前にゲストに連絡しておく。






ゲスト  



・ワインは適切な温度で持って行く。
シャンパン・白ならかなり冷やして保冷剤多めに使って、赤なら10〜15度になるように持って行く。
温度を上げるのは容易だが、下げるには手間がかかることを認識しておく。


・澱のあるワインは事前に送付できないか相談する。
ワイン会3週間前にはワインを決めて澱の量をチェックする。
澱が一定以上あるのであれば、事前にワイン会会場に送付するか持って行き、立てて/パニエで保管を依頼できないか相談する。
50年以上熟成したワインや、自然派の一部や細かく浮きやすい澱が多いと、3週間ほど立てたほうが良い場合もある。


・当日は寄り道をせずにワインを持って行く。
振動や温度変化を最小限に抑えるために、寄り道せずにワインを持って行くのが良いです。
遅刻するとしても走ったりしないこと。


・友人家でのワイン会の場合、できればグラスの洗浄を手伝う
酔いすぎてグラスを割りそうな場合を除き、グラスの洗浄をある程度手伝った方が良い。
グラス1脚を洗うのには1,2分かかるため、人数とワインが多い場合は1〜2時間必要。
これが2人だと洗いと拭きを分担して半分の時間で終わらせることが出来る。






お店・ホスト  



・サーブをするための場所が必要
ワインを注いで回らなくて済むよう、ワインとグラスを並べておくためのサーブ台があると良い。


・サーブするためのソムリエ/ソムリエ役が1人以上必要
ワインの抜栓、注ぎ、グラスの配膳と1本につきそれなりに時間がかかるため、通常の料理のサービスとは別に人員が必要になる。
12人、ワイン10本のフレンチフルコースでは、ワインと料理を同時にサーブするために料理サーブ3人、ソムリエ2人の体制が組まれていたり。


・ワインの温度管理のための設備が必要
ワインの温度を適温に維持するために、シャンパンクーラー等が必要。
小技として、参加者が冷やすべきワインを常温で持ってきた場合、シャンパンクーラーで冷やすか(15分・やや付きっきり)、ラベルをぬらしても良いなら濡らしたキッチンペーパーでボトルを覆い冷凍庫に10〜15分入れる。
また、シャンパンが落ち着いていない場合はシャンパンを横にしてゆっくりクルクル回す。


・持ち込み本数に対応出来るだけのグラスを用意する。
特に比較しながら飲む場合は、可能であれば本数×人数分のグラスが必要。8人8本だったら64脚、それぞれのワインにあったグラスが必要となる。
最低でも1人2〜4脚は欲しい。
同じグラスを使い回す場合、できれば次のワインを注ぐ前に軽く水を入れて洗ってもらう。
お店がグラスの不足を断る場合は、そうしたワイン会を断るための方便の場合と、本当にグラスが足りない場合がある。
本当にグラスが足りない場合、グラスの持ち込みを提案しても良いし、お店にレンタルしてもらいその料金を払う方法もある。
http://www.globalwine.co.jp/shop/contents2/world_rental.aspx


・グラスが並ぶ場合のスペースの用意
グラスが多数並ぶ場合は、1人につき1.5人程度の広さが必要なので、スペースを多めに確保する。


・パニエを用意する
自然派ワイン・熟成ワインには澱がある可能性が高いため、パニエを最低1つは要しておく。
サーブ担当はパニエ抜栓も出来るように練習しておく。
ドロップストップも用意しておき、パニエをその場から動かさないようにして静かにサーブする。


・ブショネ用予備ワイン
ブショネ用の予備ワインを1,2本用意しておく。特にメインのワインがあるときはその予備を用意しておく。
予備を使った場合は会費を募るのが良い。


・お店に持ち込む場合のマナー
各ワインについて、お店がテイスティングする80ml程度は残してサーブしてもらうように伝えておく。
また色々便宜を図ってもらう場合は、お礼のワインをプレゼントする場合などもある。






持ち寄りワイン会に便利なお店  


持ち込み可能なお店では、ワイン持ち込み料は1500〜3000円かかるが、一部のレストランはありがたい価格設定をしている。


・ひらまつ系のレストラン(各地)
http://www.hiramatsu.co.jp/restaurant/
持ち込み料無料なのが素晴らしい。


・ラ ブラッスリー・シェ松尾 東急本店(渋谷)
http://chez-matsuo.co.jp/restaurant/tokyu/
地下のザ・ワインで買ったワインであれば1000円で持ち込み可能。
ザ・ワインの品揃えが素晴らしいので便利。


・持ち込み可能なお店など。このリストに掲載されていなくても、お願いすれば許可してもらえることが多い(人数・本数にもよる)。
http://www.byoclub.net/






オチ  


ちなみに今までで経験した最悪の持ち寄りワイン会は銀座の某天麩羅屋で開催されたワイン会(ゲストとして参加)。
色々な事情が積み重なった結果、ワインのあらゆるサーブをゲストである僕が殆ど行い、色々問題も起こり、その上納得できない金額の料理代を請求された。
この経験が今回の日記を書いた主な動機にもなっている。
それはそうとして、一品毎に味が異なる天麩羅・お鮨はマリアージュもサーブも極めて難しいので、相当通ってお店と仲良くし、事前打ち合わせをしっかりできない限りは絶対にお勧めできない。