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携帯電話料金の複雑さが起こす、iPhone新機種への無関心さ


身勝手というか、美味い汁吸った結果の話なんだけど、携帯電話契約の問題の一環として変な話を書いてみる。


iPhone3G〜4s,5  


iPhoneは3Gの時に購入し、その後4s、5、5s、6と使ってきている。
3Gの発売時は少し前にZERO3esを使っていたこともあって、サイズとインターフェースにとても期待していたし、多少動作が遅かったりカメラがいまひとつだったりしたけれども素晴らしい機種だった。
3GSはキャリアの契約の関係でスキップし、その後発表された4のホワイトバージョンを待っていたのだが(スマホはビジネス道具からもっと玩具みたいな存在になった方が良いと思っていたので、ホワイトが欲しかった)、ホワイトのみ発売が遅れ、もうすぐ4s発売だろって4月に発売となったのでスキップし、9月に4sを購入した。
当時は携帯で月10時間とか電話していたのでホワイトプランだけのiPhoneに一本化することは出来ず、812SHと4sの二台持ちをしていて、通信費も1.2〜2万円/月かかっていた。


この頃は新機種の噂を追いかけたり、4sにSUICAを内蔵させたりもして http://d.hatena.ne.jp/nanoha3/20111206/1323153341 楽しいガジェットライフを送っていた。
その後5に機種変し、通話時間も減ったので812SHを解約して携帯を1本化した。
それで月の支払いが0.7〜1万円程度。
たまにちょっとした電話のつもりが長電話になるとホワイトプランの為えらい通話料を請求されたし、skypeの固定電話への通話はヘッドセットを使っていたこともあって反応に怪しいところがありストレスがあった。






5s・MNP  


5sにした時は、MNPのキャッシュバックフィーバーが盛り上がっていた少し後で、今までJ-phoneVodafone, Softbankと契約を続けてきたが特にキャリアに不満も愛着もなく(電波はdocomoのモバイルWifiなどを併用していたし)、c.vodafoneメールも送信相手が10人以下だったので、安くなるからいいかな、と思いdocomoMNPした。
もちろん、MNPが一番盛り上がる3月にだ。
契約の内容は確か一括0円、CB2万円を32Gにしたので1万円に、くらいのもので、そこから月々割なりなんなりで、月額の支払代金が3500円程度になった。
docomoLTE通信環境はかなり不満で、自分がよく行く百貨店の地下(諸事情で1度の滞在時間が1〜8時間)のつながりが悪く、またアンテナが表示されていても速度が遅かった。
モバイルwifiを使っていた3G通信網の時代は素晴らしかったので、これには失望した。






6・MNP  


そうしてまた次の年の3月が来て、SBの6にMNPしたとき、もはやiPhoneの新機種に殆ど関心を失っていることに気がついた。
4〜5sの時のように発売前は噂を追いかけて友人とあれがいいこれがいいと話したり、発表当日はストリーミングを見たりこまめにライブ更新をするニュースサイトをチェックしたり、発表翌日は友人と新機種の是非についてメールして盛り上がったり。
そうしたことをすることなく、「次はそういうスペックなんだ。この機能は面白いかな、メモリ容量とカメラのf値はどうなったかな」程度の確認をして、じゃあ3月まで待つかなー、と変わることのない結論を出していつもの日常に戻っていった。


6は諸事情で2台必要だったので、OCN モバイル ONEの音声通話の入ったSIMを3月上旬に購入し、それをMNP弾とした。
ソフトバンクiPhone6を2台同時MNPで一括0円・キャッシュバック2万ポイントという案件があったので、そちらに契約し、1台は64GBにして差額1万円を確か払い、いくつかお約束のコンテンツ契約をした。
初月は契約手数料だかなんだかで2万円程度の支払いになったが、翌月から月々割と家族割りで2台合計5500円程度の支払いとなった(パケットは5GBと2GB)。






年1MNPユーザーのコストはMVNOより安い  



通話し放題・パケット3.5GBで1台当たり2750円。
この金額を見てMVNOより高いじゃん、と思う人がいると思うが、それは間違いだ。
MVNOは3GBの容量なら月々1000円程度の通信費(電話込みなら1600円+通話料)と一見安い。
しかしそれは機種代金を含んでいない値段だ。
iPhoneは一括0円で手に入り、1年後には3.5〜4万円で売却できる。
そのため、MNPを1年で回しているときの総コストは2,750*12-35,000=-2000円となる。
(キャッシュバックがコンテンツ契約・初期費用でだいたい相殺されるので、そこは無視)
つまり、キャリアから年間2000円をもらいながら、通話し放題・パケット3.5G・iPhone最新機種を利用することができるのだ。
馬鹿馬鹿しい話だ。
馬鹿馬鹿しいが、通常契約・機種変で新型iPhone購入に比べて年間で10万円程度、MVNOと比べて4,5万程度違ってくるので、金銭面を考えると多少の手間はかかるがやらない手はない。
今年度も、(総務省の横槍は大したことではなかったので)2016/3には6sがもらえるだろう。






こうして「毎年3月にMNPすると自動的にiPhone最新機種がただで支給される」という恐ろしくアホな環境ができてしまい、その結果iPhoneに対する興味も失われていった。
どうせ無料で手に入る物で、ある程度知っている物なら多少調べる程度でいいや、という程度に。
iPhoneの進化がかなり緩くなってきているのもあるし、スマホに飽きているというのもいくらかあるが。


※年1MNPと書いているように、ブラックリストと戦いながら年に複数回MNPするユーザーも存在する。






価格と興味  


ここから得られる教訓は、支払う金額とその対象への興味はある程度比例している、という話だろうか。
高い金額を払う時は、購入対象をさんざん調査して、機能や評判や使い心地を調べ、うんうん悩んで悩み抜いて買う物を、買うことを決断する。
最近はロードバイクや4kテレビがそうだった。
金額が高くないときは、よほどの新規ジャンルでなければあまり悩まず評判の良い物を適当に購入する。
もちろん金額だけでなく使用する時間も重要だが、iPhoneの場合は基礎的な品質は大して変わらないので機種差分に対して気を配る程度で良かった。
もちろん同じ物であれば値段は安い方が良いが、高い物が不適切に安くなることにより、本来持っている価値にたいする興味を失ってしまうのは残念なことだ。


※なお、iPadを多用している関係でAndroidは興味がない。Windows Phoneは様子見中。







「そしてある朝、かつてあれほどまでに真剣で切実だった想いが、綺麗に失われていることに僕は気づき、もう限界だと知ったとき、会社を辞めた」