World Digger

ワインとかITとかとか。

IoTデバイスでワインの品質を確実に守る

例年、お盆の時期になるとワインセラーの異常の話しを聞くことがある。

1年の中でこの季節が最も暑く、そして今年のような例外を除けばお盆で帰省や旅行していることで、ワインセラーの異常にすぐ気づかず手遅れになりがちなことが原因だ。

こうした問題はITの発達した現代に於いては”既に解決された問題”であるが、ITとワイン好きの馴染みが薄い影響もあって、未だにトラブルが起きている(超上から目線)。

 

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という訳で、英知を授けたいを思います。

 

INDEX

1. 性能の高いワインセラーを買う

2. アラーム・クラウド対応データロガーの導入

3. 緊急時は頑張る

 

 

1. 性能の高いワインセラーを買う

ワインセラーは幅広い価格と幾つかの冷却方法があり、購入するポイントが見えにくい。

が、結論から言えば買うべきワインセラーは1種類しかない。

それはフォルスターのロングフレッシュだ。

https://www.forster.jp/longfresh/

 

 

 

・冷却方法について

冷却方式はコンプレッサー方式とベルチェ方式がある。

ベルチェは冷却音が静かだが冷却性能が低く、周辺気温-13度程度しか冷やせないことも多い。

旅行に行っている間にエアコンを切った部屋に熱が溜まり35度になってしまえば、セラーの温度は22度になる。

そのため、補助的にベルチェ方式のセラーを使うのはあり得るが、メインセラーにするのはあり得ない選択肢になる。

(温度が管理された部屋でワインの温度を目的温度まで変えたいときなど)

寝室にセラーを置いてうるさいなら、耳栓をするか、セラーの置き場を変えた方が良い。

 

・安定性について

コンプレッサー方式のセラーでも、その冷却能力・保湿能力はかなり違いがある。

温度・湿度が安定しているかどうか(ボラティリティが低いか)が重要。

で、ぶっちゃけたところユーロカーブの保湿能力はやばい。

 

・価格について

低価格から高価格まで幅広い価格があるので、基本的には中で保存するワインの価格に合せて選べば良い。

安いワインならダメになっても痛手ではないので、低価格で評判の良いセラーを買えば良い。

しかし高いワインを保存するのであれば、高価格でも信頼性の高いセラーを買った方が良い。

もちろんロングフレッシュも壊れることがあるが、それは個別ケースの話しで重要なのは確率論だ。

 

 

・容量について

物理的に許容できる最大サイズの容量を買うのが良いし、自分のワイン購入量はかならず買ったワインセラーの最大容量を超える。

亀は兎に必ず抜かされる。

また、ワインの置き方が固定的なのか、ある程度変えられるかも見る必要がある。

多くのセラーはボルドーボトルを前提とした設計で、それはブルシャンオーストリア好きというボトルサイズバリエーションが多様な僕には悩ましい。

フォルスターの場合、棚を外してボトルの方向を交互に置いて詰んだりすることで、通常より多く保存できる(メーカー非推奨)。棚2段外して積むと3段分積める。

 

 

 

 

2. アラーム・クラウド対応データロガーの導入

ここがこの記事のメイントピック。

アラーム・クラウド対応データロガーは知名度が低いものの一般販売されており、ある程度のワインの在庫価格があるのであれば、導入しない理由は無い。

恐らく一般で買えて求める機能を持っている唯一の製品はtesto Saveris 2-H1になる。

testo Saveris 2-H1 | 湿度モニタリング - 文化財 | 湿度モニタリング | 保管 | 保管輸送 | Applications | 株式会社テストー

 

 

・2.4GHz帯でWiFi接続

・15分毎等の温度・湿度測定(間隔変更可能)

・単三電池4本で500日の測定が可能(これは多くの一般向け低価格製品ができていない、業務向けらしい性能)

・過去データ3ヶ月分がクラウド保存(プレミア会員だとで1年に)

閾値を設定して温度・湿度がそれを超えると、メールやSMSで連絡が来る

・電池量が少なくなっても連絡が来る

・ブラウザでログインすれば、いつでもデータの確認が可能、csvでの出力も可能。

・ベーシックサービスなら月次の費用は不要。SMS連絡・データ1年蓄積等はプレミアムサービス。

 

4万前後と些か高いが、それで残りの人生のセラーへの不安がなくなれば安いものだ。

 

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また、これに付随してweb監視カメラや、IrKit系のスマートリモコン(今どの製品が良いのか知らないので適当なの貼ってます)で外部から環境を監視・操作というのも便利。

 

 

 

また、宅急便などの温度変化監視には、ソラコムの

GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット

https://soracom.jp/products/kit/gps_multiunit/

がある。

僕はまだ導入していないが、バッテリで1分毎送信なら1.5~2日(外部バッテリで延長可)使うことが出来て、温度・湿度・加速度・GPS情報を蓄積することができ、アラームもある。

これは月次で通信費がかかったはず?

今年中に導入予定。

自分の宛先を記載したレターパックライトにSORACOMを入れてワインと一緒に発送、受け取ったらレタパを投函してもらう、という運用を想定。

クール宅急便は過去色々問題を起しているので。

「クール宅急便」の温度管理に関する調査結果、および今後の再発防止策について | ヤマト運輸

 

 

3. 緊急時は頑張る

で、ある日アラームが飛んできて緊急事態になる。

そうなったらあらゆる予定をキャンセルして即セラーの元に行き、中身を冷蔵庫に移すなり、氷を大量に買ってきてセラーにあてたり中にいれて冷やすなり、そうして凌いでる間に次のセラーをポチるなり、エアコン全開で室温を18度に下げてそこに安置するなり、がんばるって訳よ!!!!!!!!!!

 

 

 

なお、僕の聞いた一番悲しい話としては、今はほぼ売られていないアンモニア気化冷却のセラーがお盆の帰省中に故障・アンモニアが漏れて消防車殺到、アルマンルソー全滅というのがあります。