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PCモニタの4K対応を考える

結論  


・PCから4K出力はDP(DisplayPort)かHDMI 2.0搭載グラボが必要。
・DP搭載液晶モニタはスケーラーがSSTなら問題なし、MSTは回避推奨。
・43インチ以下の液晶テレビはHDMI2.0入力になる。HDCP・ビット深度・カラーフォーマット対応の規格がややこしくwebに記載されてない情報もある。
・2015Q1にGTX960が発売されたらREGZA 43J10Xを買ってHDMI 2.0で接続する予定(4Kテレビ放送の予定スペックには完全に対応出来てない製品だが)。
http://northwood.blog60.fc2.com/blog-entry-7871.html

・ドットサイズは今のメインモニタの21.3UXGAが94ppi/30WQXGAが101ppi、一般的な32 4Kが138ppi、43 4Kが102ppi。




そもそも  


自宅で使っているDELLの30インチWQXGAモニタの3008WFPが2台熱で壊れてしまった。
想定していないであろう縦置きで使っていたため壊れたのは納得している(壊れたモニタは友人に引き取ってもらって修理され第二の人生を歩んでいる)。
現在は21.3インチUXGAと30インチWQXGAのデュアルモニタで生活しているが、まあ当然作業効率が悪いため4Kモニタの購入を検討している。


が、4Kモニタの規格周りがあまりにも混沌としすぎていたため、整理しておくこととした。
新製品出始めとはいえ、家庭用製品でこの状況はひどすぎる。




4kモニタを検討する際に、チェックする必要があるポイントは4点。おまけで用語解説。
1. インプット:映像データ
2. 伝送:入出力規格(DP/HDMI)
3. 著作権保護規格(HDCP)
4. アウトプット:モニタのDPスケーラー仕様
X. 用語解説






1. インプット:映像データ  


入力ソースとなる映像データの規格を理解しておくと、入出力規格の選択の助けとなる。
解像度はともかくとして、色のビット深度とカラーフォーマットの把握が必要。
PCからの映像出力は一般的に32bit(実際は各色8bitの24bit。ハードウェアの都合上32bit処理)。
地デジは8/10bit、YUV422(らしい)。
4kテレビ放送は10bit、YUV420予定。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000326444.pdf
一般的なBD映像は8bit/YUV420。
一部のMGVCといったBD映像は12bit。
http://ascii.jp/elem/000/000/841/841913/index-4.html
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/avt/20130410_595253.html
PS4とかXboxONEとかはどうなってるんだろう。。。
将来発売されるであろう4k解像度のBDディスク(花の詩女 ゴティックメード発売待ってます!!!!)がどういうビット深度・YUVになるかは知らない。
4K/12bit/444ならBDに収まらずアーカイバル・ディスクになるのかも
http://news.panasonic.com/press/news/official.data/data.dir/2014/03/jn140310-1/jn140310-1.html







2. 伝送:入出力規格(DP/HDMI)  


一番面倒な部分なので、表にした。
DPとHDMI以外にも、HDMI2.0初搭載のGTX9XXとYUV420で4K60Hz対応したGeForce340.43betaを掲載している。
http://www.4gamer.net/games/274/G027467/20140917078/
http://www.4gamer.net/games/022/G002210/20140707073/
http://www.z-z-z.jp/BLOG/log/eid1112.html
http://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=10512790/

入出力規格のポイントは3つ。
DP1.3は全てをカバーするがまだ製品化されていない(2015年Q4以降に出るはずのnVidia GTX9XX/AMD R9 3XXの次のシリーズで採用されるかも)
HDMI 2.0は4K/60Hz/8bit/444までカバーしている。
HDMI 1.4は4K/60Hz/8bit/420をカバーしているが、基本的に4Kでは30Hzになる。


HDMI要約;
HDMI 2.0規格には2レベルある。18Gbps対応のフルスペック(4K/60Hz/YUV444/8bit)表示が可能なものと、10.8Gbpsの省略スペック(4K/60Hz/YUV420/8bit)でしか表示できないもの。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/avt/20130907_614482.html
今のところ18Gbps対応とカタログに記載されているのは東芝の4Kのみ。他社は4K60Hz対応としか書かれていない。そしてその東芝も4Kテレビ放送などで必要となるHDCP 2.2に対応した端子は10.2Gbpsでしかない。
おまけでHDMIガイドラインはバージョン表記を禁止しているため、それが2.0フルか2.0省略か1.4かもわからない。
ひどいな!!!






3. 著作権保護規格(HDCP)  


HDCPという著作権保護規格がDP/HDMI共に装備されている。
現在普及しているHDCP 1.4のプロテクトが破られてため、HDCP 2.2の規格がつくられた。
具体的には4Kテレビ放送や、今後のハリウッド映像作品を見るためにはHDCP2.2への対応が必要となる。
ポイントとしては、製品によっては入力端子毎に規格が異なることがある。
たとえば東芝の43J10XはHDMI入力1,2は4K/60Hz/8bit/444に対応しているがHDCPは1.4にとどまり、HDCP 2.2に対応しているHDMI入力3は4K/60Hz/8bit/420にしか対応していない。
http://www.toshiba.co.jp/regza/lineup/j10x/design_02.html#hdmi
つまり、もし4Kテレビ放送やハリウッドBDが4K/60Hz/8bit/444の映像データだったとしてもそのままの品質で再生できないことになる(はず)。
//4Kテレビ放送は10bitになる予定なので、対応していないこの製品は明確に品質が劣化する。






4. アウトプット:モニタのDPスケーラー仕様  


一時期問題になって現在ではほとんど解決されたDPのスケーラー。
MST(Multi Stream Transport)とSST(Single-Stream Transport)という二つの方式がある。
MSTはDPから入力された4K映像を1920*2160を2つの入力として表示する方式で、一部ゲームで表示の異常が発生していた。
http://www.4gamer.net/games/032/G003251/20131213045/
現在ほとんどの製品はSSTとなったようが、一部製品はまだMSTを採用している(メーカーに問い合わせても答えてくれない場合もある)。
EV3237-BKはSST。







X. 用語解説(適当)  


フレームレート;
24/30/60/120/144Hz
1秒間に表示する静止画の枚数。
数が多いほどぬるぬる動き、30Hz以下だとチラつきを感じる。
ゲーマー向け液晶は144Hzとかがある。CPU負荷が高いそうで。


ビット深度;
8/10/12bit。
数字が大きいほどグラデーションが美しくなる。8bitだとグラデーションが飛ぶため(カラーバンディング)みんないろいろ頑張ってる。
http://andyman.at.webry.info/201307/article_4.html
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090526_169966.html


カラーフォーマット;
(YCbCr/YUV)
輝度(Y)と色差(UとV)の3種類で画像を表示すること。
444が一番きれいで、422や420は陰などを間引いて表示している。
420でも実視聴上はあまり問題ないんじゃないかと思われているような(BDは420)。
YCbCrとYPbPrとYUVは厳密には違うけど、掘り下げる必要性は薄い。
http://www.wdic.org/w/WDIC/YCbCr
https://www.ite.or.jp/data/a_j_keyword/data/FILE-20120103130828.pdf