World Digger

ワインとかITとかとか。

今週読んだ本log

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか (単行本)
ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8C%E2%80%95%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E9%81%8B%E3%82%92%E5%AE%9F%E5%8A%9B%E3%81%A8%E5%8B%98%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%96/dp/4478001227/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1207355255&sr=8-2

デリバティブトレーダーとして20年以上生き残っている、自称確率哲学者による確率についての雑談。
わたしも昨年から投資の主戦場をデリバティブ(225オプション)に移しており、正規分布と戦っているため、大変参考になる。
私が去年まで採用していた戦略(プットクレジットスプレッド)で、投資期間を10年程度に延ばした場合、吹き飛ぶ確率は100%だった(実際、11月には吹き飛ぶ直前まで行っていた)。
私もそのことは自覚していたので、ポジションを持つ期間を短くしたり、手厚いヘッジをかけたりしていたが、正直、欲望という感情の前に、そうした利益を減らす/損失を増やす行為は受け入れがたく、実行できていないこともしばしばあった。

一応そこそこの成績を出している投資家として、全ての成功している投資家に必ず本書を読むことをおすすめする。
自分の成績がまぐれだったのか、一時的なものなのか、確認しておく必要がある。

なお、本書のレビューでどこかのサイトにあった「収益率は正規分布になっているが、正規分布の1σを超えているはずの端の方はロングテールとなっており、様々なBlack Swan(希なこと)は我々が想像しているよりも高い確率で起こりうる」という一文は、投資の本質を表している。
まだ、世界の深淵は見えておらず、それを過去から推測することもできていない。



レバレッジ・リーディング (単行本(ソフトカバー))
本田 直之 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AC%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0-%E6%9C%AC%E7%94%B0-%E7%9B%B4%E4%B9%8B/dp/4492042695

最近はやりのレバレッジ系。
内容はパラグラフリーディング+メモテクニック+質と量の話。
この著者がたびたび主張する15万円云々は、上記の「まぐれ」を読んだ上では白い目で見るしかない。
そして、成功者は必ず本を読んでいるという法則も、母集団の定義を誤っているため、不適切な表現である。
また、パレートの法則についても無理矢理当てはめている感がある。
が、そういった箇所をのぞけば、いい本である。
本の読み方については、私が受験時代に習ったパラグラフリーディングと同様で、枝を拾うのではなく、文の主張部分のみをきちんと拾っていく方法を推奨している。
また、重要だと思った箇所を折り、線を引いておくことで、あとでメモしやすくする。
メモは本の記述について重要だと思ったところを自分なりにまとめ、PCでストックする。この際にはDB化といった複雑化はせず、実現できるレベルで分類する。
質の高い本を繰り返し読むことはむつかしいので、ある程度スクリーニングで当たりをつけた後に、多読することで、意味としての質を得る。
こうした手法で、大量の本を、記憶に残るように読み勧めていくことが、成功の道につながると主張している(これには大いに反論したいが)。
うん、内容は悪くないし、相当お金を費やすことが求められる勝間さんの手法よりは実践的だが、著者の確率に対する不理解が目立つ(笑)。



魔法少女リリカルなのはStrikerS 2 (2) (ノーラコミックス) (コミック)
長谷川 光司 (イラスト), 都築 真紀 (原著)
http://www.amazon.co.jp/%E9%AD%94%E6%B3%95%E5%B0%91%E5%A5%B3%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%AFStrikerS-2-%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D-%E5%85%89%E5%8F%B8/dp/4056070164/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1207356671&sr=1-2

はやてかわいいよはやて。
『自分より強い相手に勝つためには、自分の方が相手より強くないといけない』
こんなところでポーター教授の理論が展開されるとは!
なのはは戦略論&教育論の教科書として採用されるべきかと(えー


「まぐれ」は、個人的には「イノベーションのジレンマ」に匹敵するほどの大ヒット。
ジレンマのように、読んでいて眠くならないのもすごいし。
計量経済学と確率論が、断然面白そうに思えてきた。
続刊のBlack Swanは日本語訳出る前に、英語版(オーディオブック)にチャレンジしてみよ♪