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HSBCのパフォーマンス検証(編集完了)

HSBC投資信託について、Naoさんが疑問を感じられていたので検証してみることにした。


<1 各カテゴリー(インド・中国・BRICs)の資産の大きい投資信託について、成績比較>
(画像参照)

SRは順当にパフォーマンス順の高さとなっているため、どこかのファンドが特別大きなリスクをとっているため利益をあげていているわけではない。
HSBCの順位は3カテゴリ6ファンド中、それぞれ4位、5・6位、2・5位とややふるわない状態となっている、
逆に国内証券(野村・大和・日興・三井住友)の成績がよいのが目立つが、上位運用会社の顔ぶれはまちまちである。

※Assets(資産額)、単位はBillion(10億円)
※3m=3ヶ月、1y=1年
※SR=シャープレシオ
モーニングスターの説明)
 ファンドのリターンは単純に高ければ良いとは限りません。ファンドのリターンが高くても、ファンドマネージャーがハイリスク投資をした結果、達成された可能性があります。シャープレシオはリスクに見合ったリターンを得ているかを表わす指標で、リスク尺度にリターンのぶれの大きさ(標準偏差)を使用します。 数値が大きい方が高い評価となり、モーニングスター社以外の多くの投信評価会社が採用しています。

※資産を基準にする理由としては、以下の2点が理由となります。
?購入側として比較的アクセスの容易な証券会社が扱っている
?ポートフォリオが著しく偏らない(ボラが過度に大きくならない)
※国内カテゴリについては、HSBC投資信託がないため外しました



<2 HSBCのファンドについて>

 残念ながら、多くのカテゴリで1y平均リターンにやや劣る結果となっている。
 インドカテゴリでは平均16.5%に対して13.3%。
 中国カテゴリでは平均7.61%に対して2.8%,2.7%。
 BRICsカテゴリでは平均10.6%に対して13.7%、6.4%。

 中国カテゴリでは明らかにパフォーマンスが悪く、HSBCを選択する理由はない。
 インド・BRICsカテゴリについては、平均値からの乖離幅は確率的に高い範囲に収まっているため、ただのブレと言える。



<3 では、どうすべきか?>

 投資家としては、当然パフォーマンスのよいファンドを購入したい。しかしながら、どのファンドが将来高いパフォーマンスをあげるかについては、予想できるものではない。
 ファンドマネージャーや投資方針はおそらくパフォーマンスに影響を与えているが、そのファンドマネージャーや投資方針がいいのか悪いのかを判断することは、正直なところきわめて難しい。
 また、パフォーマンスについては、良くても悪くてもおそらくまぐれ・ランダムウォークの域を出ない。
 結果を見れば、当然このファンドがよかったというのはあるが、逆にいまい位ファンドが今後もいいという推定を、通常手に入る情報だけで判断することはきわめて難しい。
 
 つまるところ、投資家にとって明確に有利不利がわかるのは、購入手数料などの各種コスト、流動性の高さのみである。

 以上のことを考えると、消極的な結論ではあるが、流動性が高く、各種コストの安い投資信託を複数購入し、平均的なパフォーマンスを手に入れることが最適な選択となる。
 また、投資カテゴリの選択こそが最も重要なパフォーマンス要因であることは変わらないため、投資カテゴリの選択に集中し、投資プランを立てるのがもっとも適切なように思われる。