World Digger

ワインとかITとかとか。

リセットボタン

多少昔に、ゲームにはリセットボタンがついているけど、人生にはリセットボタンがないから、人は殺しちゃいけないとか、懸命に生きろ、とかそんな感じの話があった。

でもさ、それって裏を返せば、一度失敗するともう取り返しがつかないような状況の上に生きている、って話にならないかな。
前の日記で書いた「NHKへようこそ!」の登場人物たち(ひきこもり、薬中、虚言癖、宗教、登校拒否などなど)は、まともに社会復帰できるとか、と考えたときに、とてもできるとは思えない。
なぜなら、社会は一定の偏見を常識と呼んで共有して、その常識の外にあるものを賛美か、排除する傾向が強く、先にあげたプロパティは排除の対象になりがちだからだ。

私自身もともと引きこもりがちで、色々暗い人生歩んできてるけど、それでもいくつか社会ウケのいいプロパティをもっていたおかげで、社会復帰できた。
しかし、たとえばそういったプロパティを持っていなかったらどうなっていたのだろうか。
また、この先なにか失敗して社会から離れた後に、その失敗を清算して社会復帰できるのだろうか。
恐らく、難しいのではなかろうか。

禊をして、過去を流してきれいな状態になったとしても、やはり過去は履歴書として、前科として、纏わりつくのだ。
そうして過去に纏わりつかれて、人間は病んでいく。
元**、〜〜してた人、**大学出身、元**会社勤務、そういったプロパティで多くの他人は自分を評価する。
リセットボタンがあれば、これらを解決することができるのではないのだろうか。
リセットボタンがあれば、電源ボタンを押す人間を減らすことができるのではないのだろうか。

・・・いまいち話がまとまらないなぁ。

今日私はフェラガモの靴を履いて、Berlutiのベルトを巻いて、赤坂のB&Oに修理されたイヤホンを取りに行く。
自分の年代ではありえないようなそんな格好、しかしそれ以外の時間はひたすら家に引きこもり、PCと、ゲームと、ネットと、本とですべての時間が埋め尽くされている。

果たして社会はこのダメ人間をどう評価するのだろうか?
(ごく一部で)有名な会社で働く有望な若者?
ブランド好きの馬鹿な若者?
秋葉原にすら行かない引き篭もりのオタク野郎?
怪しい髭面野郎?

まぁ、結局はそんなのはどうだっていいのだけれど。