World Digger

ワインとかITとかとか。

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

睡眠障害の暇つぶしにゆっくりと読み終わった。

内容は、結末を除いては予想したとおりの内容というか、ストーリーラインだった。
というのも、ここから派生したあの作品を私は以前何十回と読んでいたからだ。
予測された世界と、予測されたシナリオ。
結末が私の知る物語と異なるのは、主人公の在り方と、作者の考え方の違いからくるものだろう。

緻密で情緒的な風景描写は確かに鬱陶しいものではあるが、それも慣れてくると小説の世界のイメージを喚起する最適な媒体となる。
普段読む小説が主に登場人物の気持ちについて焦点に当てている作品が多いので、こうした世界にも焦点を当てている作品も面白い。

「僕は昔やっていたのと同じように影をひきずり、悩んだり苦しんだりしながら年老いて、そして死んでいく。多分僕にはそういう世界のほうがあっているんだろうと思う。心にふりまわされたり引きずられたりしながら生きていくんだ」